目標管理とは、経営学者のピーター・F・ドラッガーが提唱したマネジメントの手法です。MBO(Management by Object)とも呼ばれるもので、上司が部下に業務の指示を与えるのではなく、部下自身が目標を設定し、業務を遂行していくことをいいます。
組織は、その達成度によって従業員を評価します。
目標管理を効果的に行うためには、組織の目標を従業員と共有して適正な個人目標を設定します。
このとき目標を低めに設定してしまうと、人事考課の中の能力考課が下がる可能性があるため注意しましょう。
目標達成までの期間を定めたら、計画を行動に移します。上司は定期的に部下の進捗状況を確認することが大切です。
期日がきたら、まずは従業員自身が業務の達成度を評価します。その後、上司が人事考課の基準をもとに評価します。
目標管理のメリットは、組織と個人の目標が明確になるため、達成度を評価の基準にすることができ、部下にも評価に対して納得してもらいやすくなります。
また、部下自身が目標に至るまでのプロセスを考え、問題を解決していくことによって、業務に対するモチベーションが上がり、効率化を重視した仕事の進め方を考えるようになります。これにより、知識やスキル、意欲といった職務能力の向上も期待できます。
目標管理には課題にすべき点もあります。
その一つ目は目標が達成できず、思うような評価を得られなかった場合に、部下のモチベーションが下がってしまうことです。
また、個人の評価に重点が置かれ、チームワークに対する意識が低下することもあります。
評価する側にとっても、評価作業に時間がかかるうえに、目標設定が部下によってまちまちなため、適正な評価がしずらいという面があります。