人事考課とは、従業員の業績や貢献度、勤務態度、能力などを評価する制度のことをいいます。
人事考課は従業員のモチベーションを大きく左右するため、評価基準を明確にし、評価者のバイアスをなくすことが重要です。
人事考課と人事評価はほぼ同じ意味合いのものですが、目的が異なります。
人事考課は、貢献度、業績、能力をもとに昇給や昇格、昇進を目的に従業員を評価します。
一方、人事評価は従業員の業務の遂行度や成果などの良し悪しを評価するためのものです。人事考課のように、昇給や昇格、昇進には反映されません。
企業によっては、人事考課と人事評価を同義ととらえているところもあり、同一視しても問題はありません。
人事考課には明確な根拠が求められます。人事考課の評価基準は、業績考課、能力考課、情意考課です。
業績考課とは、業績や業務達成に至るまでのプロセスを評価することをいいます。
業績考課に活用されるのが、目標管理制度です。MBO(Management by Object)とも呼ばれるもので、経営学者のピーター・F・ドラッガーが提唱したマネジメント手法です。
目標管理制度は、従業員自らが目標を設定し、ゴールに向けて積極的に業務を管理することをいいます。
能力考課は、業務遂行のプロセスの中で習得した知識やスキルなどに対して評価することです。
例えば、業績が同じでも、上司のサポートがあったか、それともより自分の力で達成したかによって、評価が変わります。
情意考課は、仕事に対する意欲や勤務態度、協調性などを評価します。
明確な人事考課の評価基準を示すことで、組織や従業員が目指すべき方向性を共有することができます。
これにより、従業員の不信感を取り除くことができるだけでなく、従業員の能力を開発するための教育を用いることもできます。
ただし、人事考課エラーには注意が必要です。人事考課エラーといわれるものには、ハロー効果、バイアス、第一印象効果などがあります。
人事考課エラーを防ぐ方法についてこちらでも詳しく解説されています。
→ 人事評価でバイアスやエラーを防ぐには?