HRD(Human Resource Development)とは、人材開発の総称で、人的資源を育成するための考え方のことです。
人的資源とは、企業の経営資源である「ヒト・モノ・カネ・情報」の「人」のことで、最も重要な要素だといわれています。
HRDのねらいは、経営目標を達成するために人的資源を育成し、生産性の向上を図ることです。社内研修もその一環ですが、人材育成とは少し意味が違います。人材育成は業務に必要な知識やスキルを身につけさせることをいいますが、HRDは身につけた知識やスキル、能力をさらに向上させ、実践できるようになることを目的にしています。
HRDに有効とされているのが、OJT(On the Job Training)やOff-JT(Off the Job Training)、自己啓発などです。
OJTは、実務を通して実際の業務で必要な知識やスキルを学んでいきます。OJT研修などでも広く知られているものです。OJTを終えると即戦力として成長していることが多く、あらゆる企業で活用されている方法です。ただし、業務の全体像がわかりずらいという課題もあります。
Off-JTは、実務をする職場から離れ、ミーティングルームに対象となる人材を集めてセミナーや研修を行うことをいいます。新入社員研修や管理職研修などがその一例で、講師を招いた座学やeラーニング動画講座などが一般的です。
Off-JTの場合、業務を体系的に学べるため、知識の整理をつけることはできますが、実務にそのまま活用できないところがデメリットとされています。
自己啓発は、本人の意思で外部セミナーに参加したり、ビジネス書から知識を習得することをいいます。外部の意見や知識を得ることで、視野が広がり、自分に自信がもてるようになりますが、その内容を咀嚼し、結果につなげられなければ意味がありません。学んだことを応用し、行動する姿勢が重要です。