キャリアは一般的に職業上の経験や経歴のことをいいますが、本来の意味としては、就業に関わる持続的なプロセスのことをいいます。
厚生労働省は、「キャリア」は職業経験を通して、「職業能力」を蓄積していく過程の概念と定義しています。
キャリア形成とは、従業員個人が仕事をするのに必要な能力を習得することです。
近年、ITの急速な進展に伴って企業間の競争は激化し、顧客のニーズも変化しやすくなっています。今後も価値観の多様化はさらに進んでいくことが予想されます。
そのため、従業員は会社に頼らない働き方を考え、「自分は何をやりたいのか」を具体化し、行動する必要があります。
実際、中堅社員や管理職クラスの従業員がキャリア研修を受講することも少なくありません。適切なキャリアを形成するためには、定期的にキャリアの棚卸しを行い、勉強をする機会を設けることが必要です。
企業が従業員のキャリア形成をサポートするには、専門的なキャリアコンサルティングを行う必要があります。
キャリアコンサルティングを通して、従業員の職業能力向上や、新入社員をはじめとした社歴の浅い従業員の定着を図ります。
「セルフ・キャリアドック」もその一つです。
セルフ・キャリアドックとは、面談とさまざまなキャリア研修を組み合わせ、従業員の主体的なキャリア促進をサポートするものです。
セルフ・キャリアドックは、従業員の労働環境が変化するタイミングに応じて実施するとよいでしょう。
セルフ・キャリアドックには、従業員の定着率を高め、モチベーションを向上させる効果があります。さらに、従業員のキャリア形成に対する意識を把握できるうえに、人材育成の問題点を改善することも可能になります。