キャリアコンサルティングとは、労働者の職業の選択やキャリア開発をサポートすることをいいます。その専門家がキャリアコンサルタントです。
キャリアコンサルタントは、企業の人事部門やハローワーク、教育機関など、幅広い分野で活躍しています。
厚生労働省は、労働者のキャリアは、以下に示す6つのステップで構成されていると定義しています。キャリアコンサルティングは、各ステップの活動をサポートするものです。
今までの職業経験や能力などを整理して、自分自身に対する理解を深めるステップです。
VPI職業興味検査やキャリアアンカーをもとに、キャリア指向性を明らかにします。
企業情報やニーズに合った各種情報を労働者に提供し、職業、職務、キャリアルートの種類を示し、その内容を理解してもらいます。
応募または職業を決定する前に、インターンシップなどの利用をすすめ、実際の仕事を経験してもらいます。
自己理解、仕事理解、啓発的経験を踏まえ、キャリアコンサルタントは長期または短期の目標や選択肢を提示します。
数ある選択肢の中から労働者のキャリア形成に合う職業の選択をサポートします。
状況に応じた情報を提供し、労働者が選択した職業で能力を発揮するための計画をたて、就職活動を行います。
労働者が新しい職場に適応するための環境づくりを行います。
キャリアアップするための地盤をつくるのもキャリアコンサルティング業務の一つです。
企業のキャリアコンサルタントは、主に人事に関わる部門で定着支援や能力開発、または採用のための企画をたて実行します。
企業内でのキャリアコンサルティングは、大手企業では導入されてきているものの、まだまだ十分とはいえない状況です。
キャリアコンサルティングを積極的に導入することで、生産性や従業員のモチベーション向上、企業の競争力強化など、数々のメリットをもたらします。
キャリアコンサルティングは、企業内でのキャリア開発支援にとどまらず、転職活動の場面でも活用されています。特に、将来の方向性に悩んでいる方や、自分の強みや適性を客観的に整理したいと考える方にとって、有効な手段となります。
たとえば、コンサルティング業界への転職や、同業界から別の業界への転職を目指すケース(いわゆる「コンサル転職」)では、これまでの経験の棚卸しやスキルの言語化が重要になります。業界特有の専門性や働き方を踏まえたキャリアの見直しが求められる場面では、キャリアコンサルタントの助言が役立つことがあります。
このようにキャリアコンサルティングは、社内でのキャリア形成支援だけでなく、個人が自らのキャリアを主体的に設計するための支援手段として、社外においても広く活用されています。