モラールとは、「士気」や「やる気」のことです。
ビジネスの場面では、職場環境や人間関係、労働条件などによって影響される従業員の士気のことをいいます。
モラールとモチベーションは「士気」という点では重なる部分もありますが、意味合いが若干異なります。
モチベーションは、一言で言えば個人が行動を起こす動機づけのことです。従業員一人ひとりのモチベーションが向上することによって、組織のパフォーマンスを向上させることができます。
それに対しモラール(morale)は、従業員同士が協働し、組織で目標を達成するために行動を起こします。「勤労意欲」「職場士気」「集団の帰属意識」「団結力」がモラールの概念です。
ちなみに、モラル(moral)はモラールの「e」をとったもので、「道徳」や「倫理」という意味です。モラールと同義ではありません。
従業員のモラールは、入社時は高いものの仕事に慣れてくると次第に低下していくと考えられています。
社会学者の尾高邦雄は、モラールの要因として以下を挙げています。
(1)作業条件
(2)待遇
(3)職場の組織
(4)監督指導の方法
(5)会社の管理方式
(6)労働組合の性格
(7)会社と組合の社会的地位
(8)外社会の環境的条件
(9)個人差
従業員のモラールを高めるには、上記の要因の中でもとくに「職場の組織」「監督指導の方法」が重要だと考えられています。
職場の組織という点で見ると、チームの規模が小さく、コミュニケーションが良好といった組織ほど、帰属意識が高いといわれています。
また、監督指導の方法という観点では、上司にリーダーシップがあり、部下の意見を尊重できるチームであれば、モラールを高めることができます。