バーナード組織の3要素とは、アメリカの経営学者チェスター・バーナードが提唱した組織論です。
組織は「コミュニケーション」「貢献意欲」「共通の目標」の3つから成立するもので、どれか一つが欠けても組織不全になると定義しています。
コミュニケーションとは、従業員同士で情報を共有し、意思の疎通を図ることをいいます。
コミュニケーションが構築されていない組織は、トラブルが発生しても発見が遅く、迅速に対応することができません。そのため、問題がますます大きくなる可能性があります。
また、コミュニケーション不足の職場は、従業員にとっても働きづらく、業務を効率的に進めにくくなります。結果、生産性低下や離職率アップという事態を招くことにもなりかねません。
企業は従業員同士、および部門の壁を超えたコミュニケーションの活性化に尽力する必要があります。
貢献意欲を一言で言えば、モチベーションのことです。従業員のモチベーションを向上させるには昇進や昇給といった外発的動機づけがありますが、一時的な効果だけで長続きしないといわれています。
従業員のモチベーションを維持するには、達成しやすい目標を設定し、成功体験を増やすことです。従業員が自信をつけることで、自分の役割を認識し行動する習慣を身につけるようになります。
さらに、従業員同士がサポートし合う関係性が構築できれば、より高い貢献意欲を引き出すことができます。
組織が目標を達成するうえで重要なのが、組織と従業員共通の目的です。バーナードは、目的には協働的側面と主観的側面があると言っています。
協働的側面とは、企業理念や個人が持っている情報を共有し、達成に向けて協働することです。
一方、主観的側面は、家族のため、社会とつながりたいといった個人的な目的のことです。