ホーソン実験とは、生産性を上げるには、作業環境よりも人間関係が大きく影響することを立証したものです。
ホーソン実験は、アメリカのウェスタン・エレクトリック社のホーソン工場で実施されました。
ホーソン実験は、さまざまな条件のもと、生産性がどのように変化するのかを観察したものです。
作業場の照度を下げると生産性が低くなり、照度が上がると生産性が高くなるという仮説をたてた実験です。
照度を下げて生産性を測定したところ、照明の明るさと生産性は関係がないという結果が出ました。
無作為に選ばれた6名が役割を分担し、継電器(リレー)の組み立て作業を行うというものです。
その際、賃金、休憩時間、部屋の温度といったさまざまな労働条件を変えました。その結果、実験を重ねていくほどに作業能率が上がり、労働条件を元に戻しても、作業能率は変わりませんでした。
この実験では、6名が選ばれたことを誇りに思ったこと、チームワークがよかったことなどが、生産性アップにつながったと推測されました。
従業員約2万人一人ひとりと面接し、仕事に対しどのような気持ちをもっているのかといった聞き取り調査を行いました。
この調査によって、従業員は賃金や労働環境といった条件よりも、労働に対する興味や人間関係などに影響されることがわかりました。
さらに、監督者によるリーダーシップも重要であることを導いています。
従業員を「配線」「ハンダ付け」「検査」にグループ分けし、電話交換機(バンク)の配線作業を行う実験です。
この実験でわかったのは、インフォーマルグループ(自然発生的に生まれたグループ)が出来上がり、個人はグループに合わせて生産量を制限するということです。
さらに、品質管理では監督者との関係が評価に影響することがわかりました。