X理論・Y理論とは、マズローの欲求5段階説に基づき、アメリカの心理学者ダグラス・マクレガーが提唱した働き方やモチベーションに対する対照的な理論です。部下育成・後輩指導研修など、人材育成の側面でよく取り入れられる考え方です。
X理論は、人は本来怠け者で、命令されないと仕事をしないという考え方です。
マズローの欲求5段階説の「生理的欲求」や「安全欲求」といった低次の欲求度が高い人にあてはまります。例えば、向上心のない部下に対しては、目標を達成できれば報酬を与え、達成できない場合は処罰するという「アメとムチ」を使って動かします。
X理論の場合は、高所での肉体労働など個人の責任で管理するのは困難な業務に効果があるといわれ、上司が随時仕事を指示することで、部下のモチベーションを維持することができます。
Y理論は、人は条件次第で責任を負い、自分が設定した目標に対し積極的に行動するという考え方です。
マズローの欲求5段階説の中でも高次の欲求である「自己実現の要求」「社会的欲求」にあてはまります。
Y理論の場合は、部下がチャレンジしたいと思っている仕事を任せ、目標を達成したら報酬を与えるという方法です。Y理論は、企業と従業員が目標を共有できている場合に有効だといわれています。
一定の生活水準を満たしている現代では、Y理論に基づいたマネジメントの必要性の方が高いとマクレガーは主張しています。
X理論・Y理論は極端な分類であり、どちらかに偏ってマネジメントしてもうまくはいきません。
人は高次欲求の方が高くても、X理論にあてはまる部分も持っています。部下をマネジメントする場合は、Y理論を基本にバランスよくX理論を取り入れるとうまくいく場合があります。
状況に応じて活用するのがおすすめです。
なお、こちらのコラムでも詳しく解説しています。→X理論・Y理論とは?どっちが重要?具体的な活用法も合わせて解説【マグレガーのXY理論】