経験学習(モデル)とは、自分が失敗した経験を振り返って教訓とし、学ぶことをいいます。経験学習で重要なのは、それを次の行動で生かすことです。
ビジネスパーソンの能力開発に最も役立つのは、実際の経験だといわれています。
組織行動学者のデイビッド・コルブは、経験学習を「具体的経験」「省察」「概念化」「試行」の4段階のサイクルとしてモデル化しています。
自分が予測していなかった出来事を経験することによって、気づきが得られます。
具体的経験から、なぜそういう結果になったのかをいろいろな角度から分析します。
具体的経験とその分析をもとに、同じチームのメンバーや将来の自分が参考にできるようにまとめます。
概念化した内容を検証し、見直す必要がある場合は改善します。
経験学習を企業の研修に取り入れるには、現場での経験や、研修でのディスカッション、疑似体験などが有効です。具体的にどんな方法があるでしょうか。
例えば、OJTは経験学習の一つといえます。ただし、経験学習を目的にする場合は、新入社員が自分のできなかったことや失敗したことなどを振り返る機会を設けなければなりません。
ジョブローテーションも有効です。OJTやジョブローテーションは、サイクルモデルの中の「経験」にあたります。
また、管理職を対象に課題に感じた部下の育成方法について、ディスカッションする場を作ってみるのもよいでしょう。これは経験学習の「省察」に該当する研修です。
さらに、ビジネスシミュレーションといわれる研修を取り入れてみましょう。リーダー候補者を対象に、経営シミュレーションを体験させるのもおすすめです。