エンパワーメントとは、広義では潜在的な能力を引き出し、発揮させることをいいます。ビジネスにおいては、「能力開花」や「権限委譲」の意味を持ち、部下や現場の従業員が意思決定の権限をもって業務にあたることです。
従業員の自発的な判断や行動を促すことによって、組織力を向上させることを目的にしています。
エンパワーメントが求められる背景には、スピーディなマネジメントの実現や後継者の育成、従業員の自発的なスキルアップなどが課題になっているからです。
エンパワーメントを実施することにより、従業員は上司の判断を仰ぐ必要なく、意思決定が行えるため、生産性が向上し、マネジメント能力が身に付きます。
さらに、意思決定までのプロセスを自発的に考えることにより、否が応でも責任感をもって業務に臨むようになります。
顧客に接する業務の場合も同様です。問題が発生してもスピーディに解決できれば、顧客満足度が上がります。
ただし、エンパワーメントには、組織の方向性とズレが生じる、従業員の力量によって生産性が低下する、情報が上司に共有されないなどといったデメリットもあります。
会社と従業員、あるいは上司と部下の間でミッションや目的を共有することが大切です。従業員をサポートする体制を整え、定期的なミーティングで報告や相談を聞く機会を設けましょう。
従業員にはストレッチゴールを設定することも重要です。ストレッチゴールとは、権限を委譲する従業員のレベルよりも少し高いレベルの課題を与えることです。従業員の能力をはるかに超えた課題を与えると、致命的なミスを犯してしまう可能性もあります。
