サクセッションプランは「後継者育成計画」といわれるもので、将来の幹部および経営者候補を確保し、育成する施策のことをいいます。
年功序列で幹部や経営者候補を選ぶのではなく、企業の経営理念や経営戦略に適した人材を選出し、時間をかけて経営層のレベルに達するように育成するというものです。
サクセッションプランは、後継者不在を回避し、企業が長期的に成長していくために必要不可欠なものです。
候補者の選出は、企業に対する理解度や経営スキル、コミュニケーション能力、リーダーシップといったさまざまな面で評価を行います。企業によっては、全従業員を対象にすることもあります。
サクセッションプランの対象は、経営トップおよび経営幹部も含まれます。そのため、人事部よりも経営陣が関与して行います。
コーポレートガバナンスコードにも、経営陣による後継者育成の重要性が示されています。
サクセッションプランを実施するにあたって、まずは中長期的な経営戦略を策定し、候補者を特定します。
候補者の選出基準としては、実務経験やスキルはもちろん、コミュニケーション能力やリーダーシップなどです。
ただし、最近は若手社員を対象にする企業もあります。その場合は、昇格に必要な面接をはじめ、OJT、アクションラーニング、ディスカッションなどを用いて、本人のやる気や能力を多角的に評価する必要があるでしょう。
サクセッションプランは、定期的に進捗を確認し、改善していくことも大切です。問題がある場合は、計画の変更も考えなければなりません。
留意しておかなければならないのは、サクセッションプランは長期プロジェクトのため、すぐに結果が出るものではありません。
また、対象から外れた従業員のモチベーション維持にも取り組む必要があります。