プロセス評価とは、人事考課の手法の一つで、結果に至るまでのプロセスを評価することです。
業務を遂行していくうえでの行動特性を評価する「コンピテンシー評価」、業務遂行に必要な能力の発揮度を評価する「能力評価」、職務に対する意欲を評価する「情意評価」もプロセス評価に含まれます。
成果のみを重視した評価では、従業員が不適切な行動をとっていても、それを防止したり把握したりすることが難しくなります。
しかし、プロセス評価の一つであるコンピテンシー評価を取り入れることによって、どのような行動をとれば評価されるのかが明確化できます。
たとえ成果につながらなくても、会社に貢献している従業員の行動も対象となるため、平等な評価が可能です。これにより、従業員のモチベーション向上や行動変容なども期待できるようになります。
プロセス評価の項目は職種や業種によって異なりますが、共通する評価項目にあるのは、冷静さ、誠実さ、ストレスに対する耐性、ビジネスマナー、自己理解などです。
プロセス評価は、あくまでも業績評価を補完するものです。プロセス評価のみを行うと、成果を出せない従業員が出てくる可能性があります。より精度の高い評価を実現するには、プロセス評価と業績評価と組み合わせることが重要です。
また、プロセス評価を導入する際に大切なのが、明確な目標を立てることです。ただし、目標を低く設定しすぎると、能力考課が下がる可能性があります。反対に高く設定しすぎても、目標を達成できず、モチベーション低下を招きかねません。
目標の設定は従業員自らが行いますが、上司がそれを確認・修正し、こまめに部下の進捗状況を確認する必要があります。