DNAとは、生物の遺伝情報を伝える物質のことをいいます。企業DNAは、組織内で長期にわたって共有される価値観や信念、行動規範の体系を組織および従業員に浸透させることです。
企業DNAを組織や従業員に浸透させることで、ES(従業員満足度)やCS(顧客満足度)が高まり、生産性や業績が向上します。
近年、情報伝達の量やスピードの向上、異業種の参入などにより、企業は競合他社に対して優位性を保つのが困難になってきています。
企業が生き残っていくためには、組織の目標・目的を従業員全員と共有し、組織力を向上させることが必須です。
企業DNAはESが高いと自然に浸透することがありますが、計画的に浸透させることもできます。
まずは、自分の会社の強みがどこにあるのかを具体化しましょう。その方法の一つが、経営指標や財務指標などを競合他社と比較してみることです。何が強みになるのかがわかれば、ゴールが設定しやすくなります。
また、インナーブランディングも有効な方法の一つです。インナーブランディングとは、企業が従業員に対して、企業ブランドの価値や存在意義、目指す姿を理解させる活動のことをいいます。
インナーブランディングのメリットは、経営方針が従業員に浸透することです。従業員が愛社精神を育むことによって、自発的に自社ブランドの魅力を発信するようになります。
これにより組織に一体感が生まれ、従業員のモチベーションも向上します。さらに社歴の浅い従業員の離職率を低減し、優秀な人材を獲得することも可能になります。ESが向上することによって、CSの向上も望めるようになるでしょう。
企業によっては、クレド(企業の価値観や行動規範を簡単に示したもの)を制作し、従業員に携帯させ、朝礼で唱和する企業もあります。
しかし、それだけで企業DNAは浸透するものではありません。採用時、人材育成研修実施などのタイミングで、企業DNAを従業員に定着させていくとよいでしょう。