先行オーガナイザーとは、本文に入る前にあらかじめ提示するそのテーマの枠組みのことです。図書を例にすると、「はじめに」や「目次」が先行オーガナイザーにあたります。
新しい知識を効率よく理解するのに有効な方法です。
アメリカの認知学者デイヴィッド・オースベルが提唱した先行オーガナイザーは、知識の整理や対象付けを目的にしています。
学ぶべき学習内容に先行して(advance)、提供する枠組み(organizer)という意味から、先行オーガナイザーと名付けられました。
学習者がこれから学習する内容の全体像をあらかじめ知っていれば、新しい知識をインプットしやすくなるというものです。
先行オーガナイザーには2つの種類があります。
学習者が新しい情報をインプットする前に与えられる、総括的な学習内容のことをいいます。
学習者がすでに知っている知識と、新しくインプットする内容を比較することで、理解を深める方法です。
先行オーガナイザーが効果を発揮するのは、有意味受容学習だといわれています。
有意味受容学習とは、これから学ぶ学習内容の総括的な情報を学習者側に事前に与え、その知識と学習内容を関連づけて学習することをいいます。
有意味受容学習の反対にあるのが、機械的受容学習法です。数学の公式などをただ丸暗記するような勉強の仕方をいいます。
先行オーガナイザーは、この有意味受容学習を助ける働きをします。
先行オーガナイザーを提示することで、いきなり説明されるよりも、新しい知識を受け入れやすくなり、理解を深めるのに役立つといわれています。