リスキルラボ 女性管理職を増やす方法を紹介【女性活躍推進のために】

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現代では女性が社会進出するのも珍しくない。一方で、女性管理職の人数としては他国と比べて日本は低い傾向にある。本記事では女性管理職を増やすメリットを解説しながら、方法についても紹介する。

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日本の女性管理職の現状

帝国データバンクが実施した「女性登用に対する企業の意識調査(2023年)」によると、日本の女性管理職の平均割合は9.8%という結果が出た。過去最高にも関わらず1割に満たない状態だ。

政府では2020年までに女性管理職の割合を30%にまで増やす目標を掲げていたが、このデータによると目標の3分の1以下だ。

内閣府から出ているジェンダーギャップ指数も低く、146か国中116位という状況だ。(下図、経済参画の部分に「管理的職業従事者の男女比」というものがある)労働人口を増やし、先進国の基準に近づくためにも女性管理職を増やすことが求められている。

ジェンダーギャップ指数

男女共同参画局 男女共同参画局 男女平等三角に関する国際的な指数より引用

女性管理職の比率を上げるべき理由

ここでは、女性管理職の比率を上げるべき理由を紹介する。

労働人口が減少しているため

日本では少子高齢化によって、労働人口が減少している。その結果、人材不足となる企業が増えている。女性管理職の比率を上げれば、それを解決できる。なぜなら女性社員にとって、居心地の良い職場ができるからだ。

すると女性社員の退職者が減り、人材不足に陥らずに済む。労働人口の減少問題を解決する意味でも、女性管理職の比率を上げるべきだ。

企業の活性化につながるため

女性管理職が増えれば、女性目線の価値観が社内に反映されていく。男性主体の職場にはない価値観が根付くと、新たなアイデアが生まれやすい。今までと違う視点で経営したり、業務を進めたりできるため、企業の活性化につながる。

女性管理職を増やすメリット

女性管理職を増やすメリットは以下の通りだ。

女性社員が実力を発揮しやすくなる

女性管理職は男性管理職と比べると、女性社員に共感できる部分が多い。そのため、女性社員の目線に合わせた指導ができる。

女性社員の気持ちに立って指導すれば、上司と部下の距離感が縮まり、素直に言うことを聞く状態が生まれる。その結果、女性社員が実力を発揮しやすい状態ができていく。

男性目線の職場から脱却できる

男性目線の職場から脱却できる可能性を秘めているのもメリットだ。男性目線の職場から脱却すれば、女性社員のことを無視した職場環境ではなくなる。男性優位に物事が進んでいくことが減り、女性社員が働きやすい職場になっていく。

女性のキャリア形成に関してロールモデルができる

女性管理職は女性社員にとってのロールモデルだ。ロールモデルが存在すれば、自社でのキャリア形成を考える女性社員が増えていく。勉強熱心な女性社員が増加するため、優秀な人材を育てるのに役立つ。

多様性を持った組織の構築ができる

男性主体の職場に女性管理職が増えれば、新しいアイデアが生まれやすくなる。その結果、多様性を持った組織が構築されていく。社内にチャレンジングな雰囲気が生まれて、物事に対して意欲的に取り組む女性社員が増える。様々なものを受け入れる組織へ変化し、あらゆることにトライする体制ができるだろう。

女性管理職が増えない理由

女性管理職を増やすことが大事だと分かっていても、増えないケースもある。ここでは、増えない理由を紹介する。

年功型人事制度と女性のライフプランのミスマッチ

働いた年数を基に役職を決める「年功型人事制度」を導入している会社だと、女性のライフプランとの間にミスマッチが起こる。この場合、子育てによる休職があると勤務年数が短くなり、出世のハードルをクリアするのが難しくなる。その結果、出世を目指さない女性社員が増加し、女性管理職が増えなくなってしまう。

出産や子育てによる退職が多い

出産や子育てで退職する女性社員が多い企業の中には、退職の確率が低そうな男性社員を出世させた方がいいと判断するケースがある。このような考えを持つ企業が存在する理由として、働き続けてほしいという会社の思いが存在する。

出世後に退職する管理職が多いと、後継者の育成に手間がかかる。会社としては、育成の手間を少しでも軽くしたい。そのため、出産や子育てで退職する確率が低い男性社員を出世させようとする。

この考え方が社内に根付くと、優秀な女性社員でも出世は難しい。結果、女性管理職の減少を招く。

マネジメント経験を積める機会が少ない

女性社員よりも男性社員にマネジメント経験を積ませる企業も多い。この状態だと、女性社員には管理職に必要なスキルが身につかない。男性社員ばかり出世し、女性管理職が生まれない環境を作る。

管理職希望の女性社員が少ない

「残業が多くて大変そう」「他の社員からいじめられそうで出世するのが怖い」というネガティブな感情を持つ女性社員が多いと、管理職を希望する女性社員は減る。結果、男性管理職しか生まれず女性管理職は増えない。

女性管理職を増やす方法

ここからは、女性管理職を増やす方法について紹介する。

制度の整備、働き方改革

女性管理職が生まれやすいよう制度を整備し、働き方改革に取り組むことが大事だ。これを行うと、女性管理職は増えていく。たとえば、以下の取り組みを実践するといい。

時短勤務の導入

「子育てで長時間労働が厳しい」という理由で、女性管理職になれない場合がある。それを解決するのに効果的なのが「時短勤務」の導入だ。女性管理職でも気兼ねなく時短勤務を申請できる状態を作れば、実力のある女性社員は管理職への出世を目指す。したがって、女性管理職の増加につながる。

テレワークの導入

家庭の事情で出社できず、退職する女性社員もいる。そのような社員を減らすのに役立つのが、テレワークの導入だ。

出社できない方も自宅で仕事ができるため、家庭の事情で出社できない女性社員の退職者数を抑えられる。退職者が減れば、女性管理職へ出世可能な社員は増える。よって、女性管理職を増やす対策として効果的だ。

育児補助

子供を保育園に預けたいものの定員が埋まったり、保育料が高かったりして預けられないケースがある。その場合は、会社が育児補助を行うといい。

たとえば社内に託児所を設けると、職場の近くに子供がいるため安心して働ける。また保育料の一部を補助すれば金銭的負担が小さくなるため、保育料が高い保育園しか空いていなくても預けやすい。その結果、女性社員に働ける時間が確保される。退職者を減らす施策になるため役立つ。

中間管理職のイメージ向上

中間管理職のイメージが良くなれば、管理職を目指す女性社員は増えていく。結果、女性管理職を増やす取り組みにつながる。以下のことを行うと、中間管理職のイメージが良くなる。

長時間労働の防止

中間管理職は遅い時間まで勤務するというイメージを持つ女性社員も多い。それを払しょくするには、長時間労働の防止が効果的だ。

たとえば「19時以降の残業を認めない」「ノー残業デーの日は帰る」ことを徹底的に行えば、中間管理職が長時間労働をしているイメージが消えていく。結果、管理職のイメージアップになる。

得られるメリットを提示する

役職なしの社員から中間管理職に出世したときに、得られるメリットを提示してもいいだろう。たとえば、以下のメリットが挙げられる。

年収が上がる

中間管理職に出世すると給与が増える。仮に毎月の給与が3万円増えれば、1年間で36万円の増額になる。ライフスタイルの充実につながるため、伝えた方がいいだろう。

部下に仕事を振れる

中間管理職は部下を抱えるため、1人で行っていた業務を別の社員へ振ることも可能だ。部下の能力が高ければ、自身の業務をサポートする存在になる。二馬力、三馬力で仕事を進められるため、部下をうまく扱えばスピーディーに業務が進んでいく。

裁量権の範囲が広がる

役職なしの頃と比べて、業務に対する裁量権の範囲が広がるのも特徴だ。裁量権の範囲が広がれば、業務をコントロールしやすくなる。自分のイメージ通りに仕事を進めたい方にとっては、メリットになるだろう。

女性社員に活躍の場を与える

女性社員に活躍の場を与えれば、活躍している姿を他の社員に見てもらう機会が増える。結果、努力が認められる機会が増えて、女性管理職の増加につながる。なお女性社員に活躍の場を与えるときは、以下のことに取り組むと良い。

女性社員向けのセミナー・研修を実施する

女性社員が活躍するには、それなりのスキルがなければならない。スキルを身に着けるのに役立つのが、セミナー・研修だ。女性管理職を目指すにあたり、必要なスキルを習得させれば、仕事で実績を挙げやすくなる。結果、活躍の場が増えていく。

本記事を作成しているリスキルでも、女性リーダー研修や、育児・介護・病気対応研修ダイバーシティ研修など、仕事と過程を両立するための研修を用意している。ぜひ参考にしてほしい。

ジョブローテーション制度の導入

ジョブローテーションとは社員の能力開発やスキルアップを目的に、様々な部署の業務をさせることだ。導入すると様々な部署での業務が経験できるため、活躍できる場所を見つけやすくなる。宝の持ち腐れ状態を作らない上で大事だ。ジョブローテーションを導入するときは、以下のことに気を付けると良い。

従業員の特性に合わせて配属先を決める

配属先を適当に決めると、従業員の可能性を潰す恐れがある。従業員の能力を発揮させるには、従業員の特性に合わせて配属先を決めた方がいい。スキルや性格などを考えて選ぶといいだろう。

従業員を納得させた上で異動させる

従業員が不満を抱えているのに異動させると、モチベーションの低下につながる。不満を抱えた状態で働かせると、退職したい気持ちが生まれるかもしれない。会社への不満を生まないためにも、納得させた上で異動させるべきだ。

女性管理職の採用に力を入れている企業

最後に女性管理職の採用に力を入れている企業を紹介する。

スタジオアリス

スタジオアリスでは、女性管理職の割合が8割を超えている。これを実現させるために、女性社員が働きやすい職場環境を作ってきた。

たとえば「ショートタイム勤務制度」では子供が10歳になるまでの間、勤務時間を限定して働ける。しかも厚生労働省からは、女性従業員が働きやすい企業として「えるぼし」認定されている。仕事とプライベートを両立しやすい企業の代表例だと言える。

ニチイ学館

ニチイ学館の特徴は、残業の削減に力を入れていることだ。ノー残業デーを設けたり職場の消灯時間を決めたり、ワークライフバランスに関する研修の実施など、様々な取り組みを行っている。それもあってか、正社員の1カ月あたりの平均残業時間は13時間1分となっている(2019年度実績)。

セブン&アイホールディングス

セブン&アイホールディングスでは、2023年2月末までに女性の執行役員の割合を30%にする目標を掲げている。2021年2月末現在の管理職割合は、以下の通りだ。

  • 部長→8.2%
  • 課長→22.1%
  • 係長→32.4%

同社では女性管理職を増やすために、女性社員向けのキャリア支援を行っている。2021年には「女性エンガレッジメントセミナー」を実施し、経営陣とのディスカッションなどを行った。女性社員のモチベーションを上げることで、女性管理職の増加を目指している。

まとめ

日本は先進国と比べると女性管理職が少ない。今後もその状態が続くと、世界から取り残される。その状態を防ぐ意味でも、女性管理職の割合は増やした方がいい。

女性管理職を増やすと、以下のメリットがある。

  • 女性社員が実力を発揮しやすくなる
  • 男性目線の職場から脱却できる
  • 女性のキャリア形成に関してロールモデルができる

社内に様々な価値観を取り入れることができて、職場改善にもつながる。さらに女性社員の労働力確保にもつながるため、女性管理職の採用は積極的に行うべきだ。しかし女性管理職を増やしたくても、うまくいかないケースもある。その場合は、以下の取り組みを行うと良い。

  • 制度の整備、働き方改革
  • 中間管理職のイメージ向上
  • 女性社員に活躍の場を与える

上記内容を徹底すれば、女性管理職の増加が期待できる。

なお、女性活躍推進研修などを管理職以上の方に受けていただくことも良いだろう。女性により活躍の場を与えていくために何をしていかなければならないかが明確になる。

女性管理職が増えれば、社内に今までとは違う風が吹き込んで、悪しき風習を排除するのに役立つ。職場環境を良くするためにも、女性管理職の増加に力を入れていただきたい。

この記事の監修者
リスキル事務局
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Q&A
  • 帝国データバンクが2021年に行った調査では、国内における女性管理職の割合は8.9%という結果が出ました。これは先進国と比べても、低い割合となっています。
  • 女性社員が実力を発揮しやすい職場へ変化します。女性にとってもロールモデルが増えるため、働き続けたいと思う女性社員が増えるでしょう。
  • 女性社員が働きやすいように、制度を整える必要があります。その他に管理職を目指す女性社員を増やす意味で中間管理職のイメージを良くしたり、活躍の場を与えたりすることも大事です。
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