ホワイト企業であることを外部に認知してもらうと、より一層会社としての恩恵を受けられる。それを実現するにはホワイト企業の特徴と、認知のさせ方を知る必要がある。
本記事ではホワイト企業として認知されるメリットを解説しつつ、ホワイト企業の特徴・認知のさせ方などを紹介していく。
ホワイト企業とは、従業員が働きやすさを感じる会社のことだ。大手企業だけではなく、中小企業の中にもホワイト企業は存在する。ブラック企業と言われていた会社がホワイト企業となった事例もあるため、不可能なことではない。従業員の労働意欲を下げないためにも、ホワイト企業化は実現すべきだ。
ここからは、ホワイト企業として認知されるメリットを解説する。
ホワイト企業は、従業員を大切にしている会社だと思われることが多い。そのため、自社のイメージアップに役立つ。取引先や顧客が増えれば、売上アップが期待できる。
ホワイト企業であることが外部に伝われば、働きやすい会社だと認知される。その結果、応募数が増えて求職者が集まりやすくなる。
人数が集まるほど、会社の求めている人材と出会える確率が高くなるため、採用活動が楽になっていく。
ホワイト企業に在籍する従業員は居心地の良さを感じるため、離職率は低い。優秀な人材を流出せずに済むため、会社の弱体化を防げる。
ここからは、ホワイト企業の特徴を紹介していく。
会社が原因で退職する人が少ない理由は、従業員の働きやすさを大事にするからだ。退職するにしても「起業をしたい」「新しいことに挑戦したい」など、自己都合であることが多い。
残業時間が少ない分、プライベートの時間を確保しやすい。企業の中には、残業を0にするケースもある。ちなみに残業を減らすには、以下のことを行うといい。
無駄な業務を失くす理由は、無駄な作業時間を減らして残業が発生しない状態をつくるためだ。作業時間の短縮によって、残業が減る。時代の経過とともに、不要となる作業もあるため、定期的に確認した方がいい。
業務の順番を見直す理由は、順番を変えることで作業時間の短縮につながるからだ。時間のロスがなくなったり、スムーズに作業を行えたりする状況が生まれるため、残業を減らすのに役立つ。
残業ありきの仕事をさせない理由は、作業スピードを上げるためだ。作業スピードが下がると、タスクを終える時間が遅くなってしまう。次々と業務がたまっていき、長時間の残業を引き起こす。
それを防ぐには、定時退社を前提に仕事をさせるといい。退社時間をゴールとして仕事を進めるため、作業スピードが落ちなくなる。そのため、残業を減らすのに効果的だ。
有給休暇取得率が高いのも特徴だ。ホワイト企業では、積極的に有休を消化するように指示する。上司に断られるケースも少なく、自身が希望した日に有休を取れることが多い。
ちなみに有給休暇取得率を高くするには、以下の取り組みを行うと良い。
積極的に上司が有休を取得する習慣があれば、部下たちも上司に気を遣わずに、有休を取得できる。結果、有給休暇取得率の向上につながる。
従業員の権利であることをアナウンスすれば、積極的に有休を取得する従業員を増やせる。上司も部下に有休の取得を進めるため、有給休暇取得率のアップに役立つ。
計画年休制度とは、企業側が前もって従業員の有休を決める制度のことだ。仕事が忙しくて有休を取得しない従業員もいる。半強制的に従業員を休養させる手段として効果的だ。
女性が活躍しやすいのもホワイト企業に見られる特徴だ。妊娠中の人や子育て中の人も安心して働ける。社内に託児所を設けたり、子連れ出社を認めたりする企業もあるようだ。
ちなみに女性が活躍しやすい職場にするには、以下の取り組みを行うと良い。
男女差別がNGな理由は、男性従業員しか活躍できない職場になる恐れがあるからだ。能力の高い女性従業員を活躍させるためにも、性別のみで出世させる人を決めてはいけない。
女性活躍推進研修を管理職に実施する企業は多いが、その他にも女性リーダー研修など、女性従業員向けの研修を行うのもいいだろう。キャリア形成や復職後の働き方など、さまざまな研修がある。自信が持てない女性従業員を減らす意味でも必要だ。
女性活躍の必要性を伝える理由は、性別が理由で出世できない状態をなくすためだ。管理職の中には男性社員を出世させたいと、昔ながらの考えを持つ管理職もいる。
その価値観が職場に根付いていると、たとえスキルが高い女性でも出世はできない。社内の価値観を変えるためにも、女性活躍の必要性は伝え続けた方が良い。
女性従業員にも適切なフィードバックを行う環境をつくる理由は、女性従業員を育てるためだ。男性従業員の育成ばかりに力を入れて、女性従業員には適当に接する企業もある。その環境だと女性従業員は成長しないし、活躍できる場所も限定されてしまう。
一昔前は、結婚後に女性従業員が寿退社するケースも多かった。しかし現代では、結婚後も働き続ける女性が増えている。女性のキャリア形成のためにも、適切なフィードバックを行うべきだ。
自分に自信が持てない女性従業員が多くて、男性従業員ばかり活躍している職場になっている場合もある。それを解消するには、女性従業員に自信を持たせるといい。
たとえば成功体験を積ませたり、仕事が楽しいと思える機会を与えたりすると、もっと活躍したいと思う女性従業員が増えていく。それが女性従業員にとって、働きやすい環境をつくることになる。
コンプライアンス順守に力を入れているのも特徴だ。コンプライアンス違反の取り締まりを徹底し、社内の不正をなくすことで従業員は安心して働くことができる。
社員全員に、年1回などの頻度でコンプライアンス研修を実施することなども良いだろう。
福利厚生が充実しているのも特徴だ。社会保険の完備はもちろん、プライベートを快適に過ごせるように、子供を持つ従業員に子育て手当や保育手当を支給したり、社員専用の保養所を用意したりするケースもある。
福利厚生の充実は、仕事とプライベートの充実にもつながる。勤務先に良い印象を持つ従業員が増えるため、エンゲージメントの向上に役立つ。
従業員が成長できる環境が整っているのも特徴だ。成長できない職場は、社員の不満を生み出す。成長を実感させることが、やりがいにつながる。成長環境を整えるには、以下のことを行うといい。
従業員を成長させたいと思っている企業では、さまざまな仕事を任せる。時間の経過とともに経験値が高まり、会社で活躍できる従業員となっていく。
権限を付与された従業員は、今まで以上に責任の重さを感じる。その結果、今まで以上に頑張ろうとする姿勢が身につく。
しかも仕事に張り合いが出るため、やりがいを感じながら働ける。結果、従業員の成長スピードが加速していく。
ホワイト企業は、教育制度が整っているのも特徴だ。自身の求めるキャリアに合わせて、何のスキルを習得するか選べる。それが仕事に活きれば、働くのが楽しくなっていく。ちなみに教育制度として、以下のものがある。
社内研修とは、社内の人間が講師となって行われる研修のことだ。実務スキルを上げるOJTもあれば、業務に必要な知識や能力を習得するためのOFF-JT研修などがある。
外部研修とは、社外の人間が講師となり行われる研修のことだ。社外で行われている研修に参加する場合もあれば、外部講師を呼んで社内で行うパターンもある。
本記事を作成しているリスキルでは、一社研修という形で提供している。参考までにご覧いただきたい。
e-ラーニングとは、コンピューター上にある教材を使いながら勉強できるシステムのことだ。大半の教材は、自身の好きな時間帯に実施できる。通勤途中や帰宅後も行えるため、仕事が忙しくて時間がとれない人に最適だ。
本記事を作成しているリスキルでは、eラーニング動画講座を提供している。ぜひ確認してほしい。
こちらのサイトでは、ホワイト企業のリストなど、ホワイト企業にまつわるコラムが多数掲載されている。
→ ホワイト企業 コラム一覧 | ホワイト企業ナビ
ホワイト企業を目指すのであれば、外部に認知された方がいい。最後にホワイト企業として認知される方法を解説する。
「安全衛生優良企業認定ホワイトマーク」とは、厚生労働省が条件を満たした企業に対して認定する制度のことだ。厚生労働省がホワイト企業であることを認めた証となるため、顧客や求職者へのPRや自社ブランドの向上に役立つ。
ホワイト企業として、表彰されることを目指すのもいいだろう。たとえばホワイト財団では「大賞」「特別賞」など、さまざまな賞を設けてホワイト企業を表彰している。
ホワイト企業として表彰されれば、その実績をもとに自社の健全性をアピールできる。したがって、自社のホワイト企業化をPRするのに役立つ。
ホワイト企業認定をうけてもいいだろう。先ほど紹介したホワイト財団では、会社の状況を分析して、条件が合致した企業へ「ホワイト企業認定」を行っている。認定された企業は、サイト内にある「ホワイト企業一覧」のページに載るため、求職者の検索率アップにつながるかもしれない。
ブラック企業だと認定された企業の中には、悪いイメージを持たれる場合もある。それを防ぐには、ホワイト企業として認知されることを目指すといい。
認知された企業は自社のイメージアップとなり、求職者の応募者数につながる。さらに離職者の減少も期待できるため、早期退職を防ぐのにも役立つ。ちなみにホワイト企業の特徴として、以下の内容が挙げられる。
ホワイト企業では、上記の要件を満たしていることが多い。しかしホワイト企業化しても、認知されなければホワイト企業であることを知ってもらえない。そのときは、以下の制度を活用するといいだろう。
上記の制度を活用すると、ホワイト企業であることを外部へアピールしやすくなる。ホワイト企業であることが認知されれば、企業のイメージは良くなっていく。結果、人材採用や事業の面で良い結果を生み出す。優れた人材を採用したり、長期にわたり働いてもらう環境をつくるためにも、ホワイト企業への道を歩んでいただきたい。