リスキルラボ エンプロイーサクセスとは?実現させるポイントを解説【従業員を成長させる】

人事制度研修
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売上や利益だけを追い求めても、会社として成長し続けるのは難しい。なぜなら、従業員がついていけなくなる恐れがあるからだ。会社とともに従業員が成長させる環境を用意するのは必須だ。それを実現する上で必要となるのが「エンプロイーサクセス」だ。

エンプロイーサクセスを実現できれば、会社・従業員ともに成長できる。本記事では、エンプロイーサクセスの概要を紹介しながら、実現させるためのポイントも解説していく。

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エンプロイーサクセスとは

エンプロイーサクセスとは、自社の収益や利益を挙げるのと同時に、従業員が成果を得たり、自分の理想像を実現させたりするために行う取り組みのことを指す。

ここでの成果とは、さまざまなものが挙げられる。従業員の出世や報酬アップの他に、目標とするキャリアを描いたり、理想とするワークライフバランスを送ったりすることが該当する。

このような状態をつくるには、従業員に指示するだけではなく会社としてもバックアップしていく姿勢が必要だ。そのため、エンプロイーサクセスは重要だと言えるだろう。

エンプロイーサクセスとエンプロイーエクスペリエンス(EX)の違い

エンプロイーサクセスは、エンプロイーエクスペリエンスを最大化するために行う取り組みだ。一方エンプロイーエクスペリエンスは、会社に在籍していることで経験できる従業員の体験を指す。役割が異なるため、両者は違うものだと言えるだろう。

エンプロイーサクセスが注目されている理由

ここからは、エンプロイーサクセスが注目されている理由を解説する。

働き方改革が進んでいる

働き方改革が進んだことで、従業員の働き方を考える機会が増えてきた。従業員たちが成果を挙げやすい環境は異なる。そのため会社として従業員一人一人が成果を出しやすい環境を用意するのが必要だ。

しかも国として従業員が快適に働ける環境をつくることに力を入れている。それを実現する意味で、エンプロイーサクセスが注目されてきた。

有能な社員を確保しようとする企業が多い

人材が足らず有能な社員を確保しようとする企業が多いのも理由だ。働きたいと思える職場でないと、採用しても退職してしまう。

有能な従業員が次々と退職すると人材不足に陥ったり、戦力となる人材がいない状態になったりして、会社としての力は弱くなる一方だ。それを防ぐ手段としても、エンプロイーサクセスは注目されている。

エンプロイーサクセスに力を入れるメリット

ここでは、エンプロイーサクセスに力を入れるメリットを解説する。

従業員満足度の向上

エンプロイーサクセスに力を入れると、従業員たちのやる気が高まっていく。そのため、従業員満足度が向上する。最終的に職場の士気が高まるため、社内業務のクオリティアップ、カスタマーサービスの向上が期待できるだろう。

自発的な行動をとる従業員が増える

エンプロイーサクセスに力を入れると、従業員は自らの目標に向かってアクションを起こしやすくなる体制をつくれる。その結果、自分の理想を叶えようとまい進する従業員が増えて、自発的な行動をとれる従業員を増やせるかもしれない。

退職者の抑制

会社に愛着心を持つ従業員が増えるため、退職者の抑制にも役立つ。退職者が減れば、退職によって採用活動にコストをかけずに済む。

しかも退職者が出てしまうと、その人の業務をカバーする状況となり、他の従業員に負担がのしかかる場合もある。それを防ぐ意味でも、エンプロイーサクセスは大事だ。

エンプロイーサクセスを実現させる方法

エンプロイーサクセスを実現させるには、効果的な施策を行う必要がある。最後にエンプロイーサクセスを実現させる方法を紹介していく。

エンプロイージャーニーマップをつくる

エンプロイージャーニーマップとは、入社~退職までどのような経験をしていくか示した図のことだ。マップを見れば、従業員の歩んだ道が分かる。

それをもとに今後の課題や、会社としてやるべきことが明確になるため、エンプロイーサクセスを実現しやすい。ちなみにエンプロイージャーニーマップを作成するには、以下のことに気を付けると良いだろう。

抜け漏れがないように作成する

エンプロイージャーニーマップを作る際は、過去~現在までの状況を抜け漏れなく記入した方が良い。抜け漏れがあると、効果のない施策を打ち出す恐れがあるからだ。

従業員にヒアリングをして、細かい部分まで聞いてからマップに反映させることが大事だと言える。

【関連コラム】エンプロイージャーニーマップとは?作成時の流れも解説

従業員の理想像を明確にする

どのような従業員になってほしいか理想像を明確にするのも大切だ。理想像が固まれば、会社としての育成方針や、与えるべき環境などが浮かび上がってくる。ペルソナを決めておくと、理想像が明確になるはずだ。

理想を実現するためのアクションプランを考える

理想を実現するために、何をアクションさせるか考えるのも大事だ。マップを描いても、絵に描いた餅になっては意味がない。従業員の今後を良くするためにも重要だ。

健康経営に力を入れる

健康経営とは、従業員が健康的に働ける環境をつくることで業績を上げていく経営方針のことを指す。
従業員に活力が生まれて、エンプロイーサクセスを実現しやすくなる。なお健康経営を社内で実施する際のポイントは以下の通りだ。

ストレスチェックを行う

ストレスチェックとは、従業員のストレス度合いを測るためのテストのことだ。質問事項にそって従業員に記入させると、従業員たちのストレス度合いが分かるようになっている。仮にストレス度合いの高い従業員が多ければ、それを減らすために何をすべきか考えることで、健康経営の質を高めるのに役立つ。

健康経営研修を受けてもらう

健康経営研修を受けてもらい、「社員一人ひとりが心も身体も健康であること=企業や組織の存続に繋がる」ということを理解してもらうことも良いだろう。

「ヒト」「人財」も組織や企業を支える重要な存在であり、働きがい・やりがいを感じてもらいながらも一人ひとりが健康であることが重要だ。社内で取り組んでいる事例があれば、研修内で紹介することも良いだろう。もし仕組みや取り組みがない場合、研修内で考えることも一つの手段だ。

例)
・社内報や給与書類配布時、一緒に「食生活を改善するきっかけ」になるようなリーフレットを入れる
・女性特有の疾病に関する検診費用を会社負担にしてもらう
・高ストレス者だけではなく、準高ストレス者に対しても面談を実施する  など

できることから取り組む

健康経営のクオリティを高めるための施策は多い。しかし、複数の施策を強引に行おうとすると、全ての施策が中途半端となってしまい、健康経営の質を高められなくなる。

したがって健康経営に関する施策は、無理のない範囲で行うべきだ。コストをかけずに行える施策もあるため、会社の財政状態に合わせて施策の優先順位を決めてもいいだろう。

効果検証をして軌道修正を行っていく

健康経営に取り組む会社の中には、効果がさほど出ていないのに継続しているケースもある。効果がないものにコストや時間をかけすぎるのはもったいない。それを防ぐ意味で、効果検証をして軌道修正を行うことも大事だ。

PDCAサイクルを回すイメージで行えば、軌道修正までの時間が短くなりスムーズに業務を進められるかもしれない。

従業員サーベイを行う

従業員サーベイとは、会社が従業員に対して行う調査のことだ。従業員の声を聞き、経営や人事などに反映させれば、従業員のために会社として何をすべきか明確になる。それがエンプロイーサクセスの実現につながっていく。

ちなみに、従業員サーベイを行う際は以下のことを意識すると良い。

従業員に説明した上で行う

従業員の中には、従業員サーベイに対して疑問を持つ恐れがある。疑問を持たれると、回答率が下がったり適当な回答をしたりする従業員が増えていく。それを防ぐ意味で、従業員に説明した上で行うのは大事だ。

回答数を増やしすぎない

回答数を増やしすぎると、答える側にとって大きな負担となるケースがある。回答が進むにつれて、やる気をなくし答える気力が失われていく。それを防ぐ意味で、回答数は増やしすぎない方が良いだろう。

匿名での実施を検討する

回答者の中には、自分がどのような回答をしたのか見られたくないと感じるケースがある。その場合は、匿名での実施を検討してもいいだろう。

匿名での回答にすることで、自分の本音を伝えやすくなる。従業員の本音を浮かび上がらせる状態をつくる上で大事だ。

オフィスの雰囲気を変える

オフィスの雰囲気を変えると、従業員たちのやる気が高まりエンプロイーサクセスの実現につながる可能性がある。

雰囲気が変わることで、従業員の身がしまり、会社・個人の成果を挙げやすくなる。ちなみに雰囲気を変えるときは、以下のことを意識すると良い。

コミュニケーションをとれやすくする

コミュニケーションをとれやすくすれば、従業員たちの会話量が自然と増えて相談しやすい環境ができるからだ。

従業員たちで話しやすい環境ができれば、自分だけで悩みをかかえずに済む状態ができやすい。結果、社内の雰囲気を良くするのに役立つ。

ハラスメントの対策に力を入れる

ハラスメントの対策に力を入れれば、他の従業員から嫌なことをされづらくなる。陰湿ないじめを受けたり、無理難題を言われたりすることが減るため、社内の雰囲気が明るくなっていく。結果、働きやすさを感じる従業員が増えていく。

仕事が捗るオフィスにする

仕事が捗るオフィスにすれば、従業員たちは働きやすくなり社内の雰囲気は変わっていく。証明の明るさや室内の温度や湿度、従業員同士の席の感覚など、さまざまな視点で変えていくことが可能だ。

従業員の労働環境が良ければ、社内の士気も自然と高まっていく。結果、エンプロイーサクセスの実現にも効果的となる。

スキルアップできる環境をつくる

スキルアップできる環境をつくれば、自発的に自分を成長させたいと感じる従業員が増えていく。自分の成果を得るために次々とアクションをとっていく従業員が増えて、エンプロイーサクセスの実現に役立つ。

スキルアップできる環境をつくる際は、以下のことを心掛けると良い。

キャリアデザインを意識してスキルアップの場を与える

従業員のキャリアデザインを意識しながらスキルアップの場を与えることが大事だ。会社都合だけでスキルアップさせても、従業員のやる気は起こらない。

自発的に取り組んでもらい、モチベーションを高めながらスキルアップさせるためにも意識すべきだ。

定期的に従業員とミーティングしながらスキルアップさせる

ミーティングをする理由は、スキルアップできているか確かめるためだ。仮に成果が挙がっていないのであれば、スキルアップのさせ方や内容を変えた方が良いと判断できる。スキルアップし続ける状態をつくる意味で大事だ。

スキルアップが人事評価につながる状態をつくる

スキルアップできたことが、人事評価につながる状態をつくるのも大切だ。人事評価に反映されることが分かれば、スキルアップに勤しむ従業員が増えるかもしれない。

そのような従業員が増えれば、最終的に会社全体のレベルアップにもなる。よって、会社の力を強くする意味でも大事だと言えるだろう。

手法や導入方法に迷う場合は、人事研修人事制度研修などを受けることも良い手段だ。検討してみてほしい。

まとめ

エンプロイーサクセスを実現できれば、従業員たちの成果が出やすくなり、会社の業績アップにもつながっていく。会社を存続させる上で、エンプロイーサクセスに力を入れるのは必須だ。

ちなみに会社としてエンプロイーサクセスに力を入れると、以下のメリットがある。

  • 従業員満足度の向上
  • 自発的な行動をとる従業員が増える
  • 退職者の抑制

上記のように優秀な従業員が生まれやすくなったり、在籍し続けたりする効果が期待できる。それが会社の成長にもつながり、良い状態を生み出していく。なおエンプロイーサクセスを実現させる際は、下記のことを抑えておくと良い。

  • エンプロイージャーニーマップをつくる
  • 健康経営に力を入れる
  • 従業員サーベイを行う
  • オフィスの雰囲気を変える
  • スキルアップできる環境をつくる

これらを意識すれば、エンプロイーサクセスの実現が近くなるはずだ。会社にとって良い状況をつくるためにも、力を入れて取り組んでいただきたい。

この記事の監修者
リスキル事務局
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Q&A
  • 自社の業績を良くすると同時に、従業員を成長させたり理想を実現させたりすることを指す。会社がいかに環境を整えるかが重要視されるだろう。
  • 従業員が成長したり、自発的にアクションを起こしたりする効果が期待できます。また、従業員が働き続けたいと思ってくれる職場を実現させる効果も期待できるでしょう。
  • エンプロイージャーニーマップをつくることが大事です。それをもとに健康経営に力を入れたり、従業員サーベイを行ったりすると実現に近づくでしょう。
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