リスキルラボ 組織に求められるアジリティとは?高め方も解説【機敏に動くチームを目指す】

働き方改革研修
更新日:

世の中のニーズは、目まぐるしい速度で変わっている。世間に求められているものを提供できない企業は消費者から必要とされなくなる。それを回避する方法の1つとして、アジリティの高い組織になることが挙げられる。アジリティを高くするほど、世の中に求められるため生き残りやすい。

実際に組織のアジリティを高めたことで、業績を回復させた企業も存在する。本記事では、アジリティの高め方を中心に紹介していく。

あったんです。リスキル。カタログ請求

アジリティとは

アジリティとは「機敏さ」を意味しており、スポーツの世界でも使われる言葉だ。アジリティが高い組織ほど、機敏さがあると思って良い。

長期にわたり順風満帆な状態を送れる会社はほとんど存在しない。災害や経済悪化など、会社にダメージを与える局面は定期的に訪れる。それを瞬時に、判断・対応できる組織にするには「アジリティ」が必要となる。アジリティは、企業にとって必要不可欠なものだと言えるだろう。

アジリティが注目されている理由

アジリティが注目されている理由は以下の通りだ。

時代の流れが速い

時代の流れが速くなった理由は、個々人で情報発信できる時代が訪れたためだ。SNSの発達によって発信する機会が増えた今、世の中に出回る情報量も増えた。それによって、昭和や平成と比べて時代の流れは、格段と速くなった。

この流れについていけないと、企業は取り残されてしまう。その状況に陥らないことを意識する企業が増えたのも、アジリティが注目されている理由だ。

ITによる変化速度の向上

ITが発達する前はアナログで行う場面が多かった。しかしITによる電子化が進んでからは、作業の効率化が進んだ。その結果、短時間で試行錯誤できるようになり変化速度の向上につながった。

現代ではITの技術を用いて、試行錯誤の時間を短縮しようと思っている企業は多い。よって、ITの変化速度の向上もアジリティが注目されている理由と言える。

過去の事例が通用しなくなっている

現代では前例が通用しない場面に遭遇するのも、珍しくなくなってきた。新しいアイデアや発想が求められる機会が増えたのも、アジリティの注目を集めている理由だ。

ビジネスの複雑化

様々なツールやシステムを掛け合わせながら、ビジネスを展開するのも珍しくない。現代ではビジネスが複雑になっており、様々な視点で物事を考えなければ生き残るのは難しい。1つのパターンでビジネスを成功させるのが難しくなったのも、アジリティが注目されだした理由だ。

アジリティが低い企業で起こってしまうこと

アジリティが低い企業だと、以下のことが起こってしまう。

変化速度が出せない

機敏に動くことが根付いてないため、変化するまでに時間がかかる。変化し終わった頃には別のトレンドが求められているため、時代の先取りが永久にできない。

この状況が当たり前になると、商品を開発しても二番煎じの企業になる。その結果、競合他社にはないオリジナルの商品を世に出すことも難しくなってしまう。

トライアンドエラーが許容されず、多産多死に移行できない

アジリティが低い職場では、トライアンドエラーが許容されない。なぜなら、多種類のものをつくる環境が整っていないためだ。このような職場では無駄を出すまいと、最初から種類を絞って試作品を製作する。その結果、少数のことに注力せざるを得ない状況ができてしまう。

すると試作品の中から悪いものはなくし、良いものを残していく「多産多死」への移行ができず、クオリティの高い商品を提供するのが難しくなってしまう。それが顧客離れの原因となる。

総じて言えば他社に負ける

最終的にはライバル企業に差をつけられて、消費者を奪われてしまうため他者に負ける状況が出来上がる。競合が多い業界ほど、アジリティの低い企業が生き残るのは難しいだろう。

アジリティの高い組織の特徴

アジリティの高い組織の特徴は以下の通りだ。

必要に応じて柔軟な対応ができる

機敏に動けるため、必要に応じて柔軟な対応ができる。トラブルが起こったときの問題解決力も高い。問題解決力が高ければ、トラブルが大きくなる前に解消できるため、企業へ多大な損失を与えずに済む。

発想力が高い

固定観念に縛られず考えていける能力が備わっているため、アジリティの高い組織は発想力も高い。この場合アイデアが飛び交い、今までにはないアイデアが生まれやすくなる。よって、社内改革が起こりやすい状況だと言える。

コミュニケーションが活発

アジリティの高い組織では、必要だと思ったら積極的に意見の交換を行うためコミュニケーションが活発だ。社員同士で価値観を共有し合ったり、自分の意見を発信したりする機会が多い分、ビジネスにおけるヒントが見つかりやすい。結果、課題解決力の高いチームになっていく。

アジリティの高い組織にする方法

アジリティの高い組織にするには、以下の方法を活用すると良い。

社内でスキルアップできる環境をつくる

スキルアップできる状況をつくれば、社員達は身につけたスキルを活用しながら動く状況が生まれる。それにより機敏さが生まれ、アジリティの高い状況が出来上がっていく。ちなみにスキルアップさせるときは、以下のことを意識すると良い。

必要なスキルを洗い出す

各社員のスキルの習得状況や、必要となるスキルによって、求められるものは変わる。そのため、必要なスキルを洗い出してからスキルアップさせることが大事だ。

複数の社員で取り組ませる

スキルアップを命じても、1人で取り組めない社員もある。その場合は、複数の社員で取り組ませる状況をつくると良い。社員達で支え合う環境ができるため、モチベーションの維持に役立つ。

会社でサポートする

会社のサポート体制があれば、スキルアップに取り組みやすくなる。研修カリキュラムや勉強の場を用意したり、上司に相談しやすい状況をつくったりなど、職場の状況に合わせてサポートの内容を変えるといいだろう。

定期的に振り返りをさせる

定期的に振り返りをさせると、スキルアップ開始から現在に至るまで、どのような過程を辿っていったかが分かる。それによって「スキルアップに時間を割かなければいけない箇所」が鮮明になり、最大限の効果を出しやすくなる。何度も行うことで、スキルアップの質を向上させていく。

研修が受けられる機会を与える

テーマ別研修などを受けさせる機会を設けることも良いだろう。社外の研修に参加することでモチベーションもアップできる。

具体的におすすめな研修として、ラテラルシンキング研修クリティカルシンキング研修がある。いずれも本質を見抜き、発想力を鍛える内容だ。ぜひ参考にしてほしい。

ルールを明確化する

ルールがないと社員が好き勝手に動く原因になるため、ルールを明確化し、ある程度の行動制限を設けておくことが大事だ。ちなみにルールを明確化するときは、以下のことを意識すると良い。

ルールを盛り込みすぎない

設定するルールを増やしすぎると複雑になってしまい、運用が難しくなってしまう。社員がルールを守る状況をつくるには、ルールの数を絞ることが大事だ。優先順位をつけて不必要なものを除外すれば、ルールが分かりやすくなり運用しやすいはずだ。

公平なルールにする

特定のチームに有利なルールをつくると、社内に不公平感が広がり争いが生まれる原因になる。回避するためにも、公平なルールにした方が良い。

ルールを守りやすい環境をつくる

ルールを守りやすい環境をつくることも大切だ。たとえば「ルールを破っても得をしない仕組みをつくる」「不正を隠しにくい職場にする」など、様々な方法がある。

社員に束縛感を与えない

ルールによる縛りが強いと、仕事のモチベーション低下につながる。社員達のやる気を維持させるためにも、束縛感を与えないルールにした方が良い。

企業が掲げる目標から逸脱していないか考える

企業が掲げる目標からかけ離れたルールは、会社の経営成績を悪化させてしまう恐れがある。そのため逸脱しない範囲で、ルールをつくることも忘れてはならない。

失敗を許容する

失敗を許容すれば、様々なことにチャレンジできる機会が増える。失敗したときに軌道修正させれば、臨機応変に対応できる力が身についていく。結果、アジリティを高めることになる。

ちなみに失敗を許容する文化をつくるときは、以下のことを意識すると良い。

安心して意見を伝えられる環境をつくる

社員達が安心して意見を言える環境をつくるといいだろう。たとえば「一方的に社員の意見を拒否しない」「固定観念に捉われず話し合いを進める」というような雰囲気をつくれば、安心して意見を伝えられる場になる。

過去の失敗例をオープンにする

過去の失敗例をオープンにすれば、失敗を怖がらずにチャレンジしやすい環境ができる。すると自分の行動に自信がつき、失敗を理由に消極的な行動をとらない社員になっていく。

加点方式を採用する

減点方式ではなく、加点方式を採用するのもポイントだ。できなかったことではなく、できたことに目を向ければ、失敗を許容する雰囲気になっていく。

アジリティが高い組織の実例

国内にはアジリティが高い組織が存在する。ここでは、3社の実例を紹介する。

日立製作所

日立製作所では、働き方の変化に対応するため「ジョブ型の人材マネジメント」を取り入れている。従来であれば会社が必要とするキャリアを社員に与えていた。

しかし現在は、社員自らキャリアを築いてもらうことに力を入れている。社員が理想とするキャリアを築くためのサポート体制を完備し、各社員のニーズを実現させることに励んでいるのが同社の強みだ。

ニトリ

ニトリでは、社員の意見を効率的にくみ取るシステムを導入している。業務上の悩みはもちろん、会社に対する想いや不満などにも目を向けており、社員の強みや個性を活かしやすい体制をとっている。その結果、時代の流れに対応できる企業へと変化していった。

星野リゾート

星野リゾートでは「ユニットディレクター」制度を導入している。これはユニットのリーダーになりたい方が、経営陣に対してどのようなユニットをつくりたいかプレゼンできる制度のことだ。プレゼンの内容が良ければユニットのリーダーとして、会社の意思決定の場に参加できる。これによって、社員の強みを活かしやすい状況が生まれた。

また、社員1人に対して様々な業務を任せているのも特徴だ。基本的に社員は「フロント・調理・客室の清掃・店でのサービス」の4役をこなすことになっている。これによって様々なスキルが身につき、臨機応変に動ける状況が生まれた。それがアジリティの高い組織にした。

まとめ

現代において、アジリティは企業にとって不可欠なものだと言える。アジリティが注目されている理由は以下の通りだ。

  • 時代の流れが速い
  • ITによる変化速度の向上
  • 過去の事例が通用しなくなっている

上記のような時代背景があるため、様々な企業でアジリティが注目されている。アジリティの低い企業では、現代にマッチする事業を展開できなくなり、時代に取り残されていく。やがて競合他社に負けて、倒産に追い込まれる。その状況をつくらないためにも、アジリティの高い組織を目指した方がいい。

アジリティを高くすれば臨機応変に対応できたり、コミュニケーションが活発になったりする。したがって、チームの運営も楽になるはずだ。とは言ってもアジリティの高め方が分からなければ、実現させるのは難しい。以下の方法を使えば、アジリティの高い組織にしやすくなる。

  • 社内でスキルアップできる環境をつくる
  • ルールを明確化する
  • 失敗を許容する

アジリティが高くなれば機敏に動ける体制ができて、変化の流れに対応するのが楽になる。その結果、成果を挙げやすいチームにしやすくなるだろう。今後も時代は変わっていく。時代の変化に対応するためにも、アジリティの高い組織を目指していただけると幸いだ。

この記事の監修者
リスキル事務局
社員研修リスキルは一人でも多くの人に人材育成を届けるために、利便性の高い研修サービスを提供しています。検索をすれば、一社で実施する研修、日程が決まっている参加型公開講座eラーニング動画講座などをすぐに見つけ、簡単に申し込みや見積書を作成することができます。「もっと研修を。」がリスキルのミッションです。

リスキルの働き方改革研修はこちら

Q&A
  • アジリティとは、機敏さを意味する言葉です。軽やかに動ける状況を指しており、スポーツの世界でも使われます。
  • ITによって時代の流れが速くなったり、前例が通用しない状況が増えたりしていることが理由です。ビジネスを展開するスピードが上がった分、アジリティは注目を浴びるようになりました。
  • 社員達に社内のルールや社員をサポートできる環境づくりが大事です。社員達の足並みがそろい、アジリティの高い組織になっていきます。
あったんです。リスキル。カタログ請求

TOPへ

研修のお問い合わせはこちら

リスキルの社員研修に関する
お見積り、お問い合わせはこちらから

お電話はこちら

0120-299-194

0120-299-194

電話受付:月〜金 9:00-19:00(土日祝も研修実施)

研修カタログ ダウンロード

250種類の研修一覧や価格・
コースマップを確認できます

カタログダウンロード すぐにダウンロード