企画力とは、「アイディアを形にし、成果を出す力」のことだ。問題を見つけ、原因を見極め、解決案を出した上でそれを企画書・提案書の形にする。ビジネスシーンではそのスキルが求められる場面が多い。
今回は、企画力を高めるポイントを紹介する。社外へのプレゼンテーションや、社内で企画書作成をする際の参考にしてほしい。
目次
企画力とは、「アイディアを形にし、成果を出す力」だ。具体的には、社内外で発生している問題・課題(お困りごとなど)を見つけ、原因を分析し、解決策を考える力と言える。
企画力に必要な3つのスキルは以下の通りだ。
問題発見力とは、「企画として解決すべき問題に気づく力」だ。顧客情報やヒアリング内容、社内向けであれば職場環境やチームの現状、目標への数値などを見ながら「何を解決すれば、目指す目標(あるべき姿)に近づくのか」を明らかにする必要がある。
「営業部門の売上が先月から落ちてきている、それぞれ企画書を作って改善案をだしてほしい」と依頼された場合を例に挙げよう。思いつくところとしては「営業力の不足」「販促費の削減」「アフターフォローが不十分」などが原因と推測される。しかし、企画力を身に付けているビジネスパーソンの場合「営業部門の売上の現状から何が見えるか」と問題を発見することからはじめる。
現状を数字で見てみると、「アポイントを取得する人材が先月から今月にかけて半数入れ替えがあり、同じ人数であったが新人が多かったためアポイントが取得できなかったなどがわかってくる。そうすると、一概に営業メンバーの顧客アプローチ不足ということは言えない。コールセンターの育成体制や引き継ぎ、マニュアルの見直しなどが「解決すべき原因」と明確になるだろう。
発想力(アイディア力)とは、問題の本質的な原因を解決・改善するための案を生み出す力のことだ。効果的な解決策のためには「その案が実現可能か(=実現性)」が重要となる。良いアイディアでもコストが見合わない場合や、リソースの確保が現実的でなければ「企画」という形に落とし込むことができない。アイディアをできるだけ多く出した上で、実現性があり顧客(社内の場合では提案する相手)のニーズを満たすものはどれかを選択していくフェーズを通すこととなる。
企画書における文章作成力は、企画内容を誰が読んでも理解できるように書面化する力だ。どんな企画も、提案する相手に伝わって初めて実行に移される。優れた企画書は、解決策の内容が具体的だ。解決に至るまでの過程が、詳しく記載されている方が説得力も増す。先の営業部門の売上向上策なら、「新人メンバーを主軸とした体制で」「動画講習を活用し」「3ヶ月以内に」「売上を前年比100%まで回復させる」など、企画の内容を具体的に示したい。
ここからは、企画力を磨く具体的な手法を順に解説する。
問題発見力は、潜在的な部分にフォーカスする能力だ。強化する手法は、以下が推奨される。
数値検証とは、データや数値を基準に事実を確認する作業だ。「売上」を数値検証する場合は、「年・月・週・日・時間」ごとに以前のデータと比較する。異常な変動(上昇下降)がある場合は、何かしらの原因が必ずある。他にも「会社全体・部署別・個人別」や「商品種別」「顧客種別」「地域別」など、様々な視点から数値の動きをとらえることが重要だ。ものごとを定量的にとらえることで、推測や感情に惑わされず問題に気付ける。
問題を的確に把握するには、前提条件を疑うことが重要だ。無条件に受け入れていることほど、意外な問題が隠れている。社内の「マニュアル」はまさにそうだ。迷いなく業務が進む反面、工夫や柔軟性が抑制されイレギュラーに対処できない。
先の数値検証を例にとっても、「正しい情報か?」「そもそも必要か?」「他のやり方はないか?」という問いを繰り返すことで、検証の精度を高めることができる。現状を「当然のこと」として受け入れる前に、「なぜそうなるのか」を改めて問い直すことが重要だ。
発想力・アイディア力は、ゼロから生み出されるわけではない。むしろ以下のような、複数の手法を組み合わせることで高められる。
「逆説思考」とは、ものごとを逆の視点から考えるアプローチだ。普段から逆の発想を習慣づけることで、発想力は飛躍的に高まる。例えば「売上を上げる方法」に逆説思考を活用してみよう。売上を上げる一般的な方法は、「多くの顧客を獲得するために商品単価を下げるべき」という考えがある。ここでは、「顧客を減らし商品単価を上げる」という発想が逆説思考だ。結果として売上が上がれば、前提の説が間違っていたことになる。
ブレインストーミングとは、チームでアイディアを自由に出し合う手法だ。よって、一人ひとりに企画書を依頼されている場合は、直接的にブレインストーミングを行うのは難しい。しかし、そのアプローチは個人のアイディア力向上に貢献する要素が十分にある。参考までにブレインストーミングの基本ルールを紹介しよう。
1.制限時間を設定(通常10~20分)
2.自由にできるだけ多く発想(自身のアイディアを否定せず質より量を重視)
3.浮かんだアイディアを付箋やメモ帳に記入(思考の可視化)
自分のアイディアをすべて書き出し整理しておくと、後でそれらを活用しやすい。斬新な発想も、既存の知識や情報の蓄積によって生み出される。
書類の作成は、「話す」「聞く」などの自然発生的な行為ではないため、習慣化する必要がある。企画書や文章を作成するスキルは、次の方法で強化できる。
既存企画書フォーマットの見直しは、企画書作成力を向上させる要素のひとつだ。企画書はビジネス文書としての型があり、その構成に当てはめるだけでも、説得力のある文章になる。
基本構成は「事実」「解決すべき課題」「解決策」という順番だか、状況に応じて新たな視点を加えることが重要だ。「不要な情報を削除」「足りない項目を補填」「表現の変更」など、古い企画書ほど見直すべき箇所は多い。それらの作業は、必然的に企画書作成力を磨く。
文章作成力を高めるには、実際に企画書を多く作成する環境に身を置くのが良い。そして、次のサイクルを繰り返すことで文章作成力は高まる。
企画力を効率的に高めるには、企画力向上研修の受講がおすすめだ。多くの実績を持つ講師から、企画力の基礎から応用までを網羅的に学ぶことができる。ワークショップ形式によるアイディア出しや、プレゼンをする体験は、今後のキャリアに良い影響を与えるだろう。独学で企画力の習得に限界を感じる場合は、企画力に特化した研修を活用すると良い。
企画力は、課題を見つけ、解決策を提案し、実行可能な計画に落とし込む力だ。社内外のプレゼンも然り、成果が求められるビジネスシーンでは必須のスキルと言える。本記事の内容を参考に、社内の企画力アップに活用してほしい。また、企画力研修を受講することも一つの手段だ。研修を通して記事内で扱ったスキルを身に付けることも良いだろう。ぜひ検討してほしい。
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