オンボーディングという言葉を聞いたことはあるだろうか?
特に人事系のお仕事の方にとってオンボーディングを知ることはよい人材を長く確保することにもつながる。このページでオンボーディングとはどのようなものか?どのように使うものなのかをぜひチェックしてみてほしい。きっと役にたつことがあるはずだ。
「オンボーディング」とは、組織の一員などで新しく加入したメンバーに有意義に手ほどきを行い、慣れることや充実感を持って働いてもらうプログラムのことだ。企業人事では、新規に採用した社員の定着、戦力化までの一連における訓練をすることで新しい乗組員が最大のパフォーマンスをしてもらえるようにすることが大事なミッションとなる。
組織の文化やルール、仕事などに早くなじませ、能力や人間関係に悩まないための教育・訓練プログラムを行うのがオンボーディングなのだ。
新卒社員だけでなく、中途入社やマネジメント層まで対象にできるのがオンボーディングの良いこところで、対新メンバーと既存メンバーとの調和を図る目的もある。
オンボーディングの目的としては
1.組織力の強化
2.有能な社員の定着化
3,社員のパフォーマンス向上による会社力の強化
などが主なものとなる。
さて、これらを踏まえて具体的なプログラムをどうすればいいかを見ていくことにする。その前に、オンボーディングをすることによって得られるメリットや逆にデメリットはあるのか?という点も押さえておきたいところだ。中途採用者の受け入れや新入社員の教育は配属現場だけの仕事ではないのは明らかだ。
人事のほうの受け入れの準備が不十分で中途採用者が組織に馴染めなかったり、自身の得意なスキルを活かせない、パフォーマンスを発揮できずに退職するなどの悪循環ができてしまっては会社の損失につながってしまうことになる。
配属先以外でも人事はオンボーディングを活用することで配属先でも、新しく加入した従業員が業務の流れが把握でき、既存社員との距離感もうまく保てるようになる。さらに即戦力として採用した中途採用者も早期に最適なパフォーマンスを発揮できるようになるので、定着率も上がるはずだ。
オンボーディングは、従業員側だけではなく、もちろん企業や既存社員側にも効果があるものなのだ。具体的なメリットは以下の3つである。
もちろんオンボーディング全体の目的とも被る部分があるのは明らかだが、逆を言えばこの柱がないと会社人事としては、役割を果たせない部分が多いこととなる。組織力の向上は企業側にとって大変大きなメリットだ。
オンボーディングでは、事業部を超えて行えるプログラムなので組織内での情報共有が活発になり社員同士で助け合い、協力するので縦つながりだけでなく、横のつながりを強化できるので骨太の会社を作ることにつながる。
部署の垣根なく行われることになるので、業務効率化にもつながるという利点がある。
オンボーディングは短期間で仕事を覚えること、スキルを身に付けることにつながるようなプログラムにもなっているため、従業員自身のスキルアップにもつながる。
オンボーディングを行っている会社は先々のことを考えた人事の設計しているため、早い段階で有力な社員を戦力化させることができるはずだ。
スキルが上がれば社員も会社への貢献度につながることでモチベーションや給与などにも良い影響がもたらされるなど自分自身の自信につながり、実感しながら人間的に成長できることとなるのだ。自分のスキルアップができれば、どのような世の中であっても自分の力で切り開いていくこともできる。
それでは人事がオンボーディングで準備すべきことを見ていくことにする。
オンボーディングを行う目的を踏まえ、目標を設定する。人事が行う場合もあるし、部門の担当者に依頼することもある。
いずれにせよ、新しく加入した従業員に対しては「いつまでに、どのようなスキルを求めるのか」など具体的な時期と目標を設定し、きちんと明確に提示させることが大事だ。
何をすべきかが伝わりやすい形にする。
具体的な目標設定を立てる際にも気を付けることがある。その点をまとめてみた。
次に中間チェックをする。
問題や課題をもとに解決方法や過程などの面談や詳細を詰めていくこと。解決に導くにはどのような取り組みが必要か、ということまでつき詰めていくことが大事である。人間関係の悩みがないかなどもチェックしておくことが大事になってくる。
一人ひとりに合ったオンボーディング目標を作成することで1年を通して半年ごとにチェックをすると、見直す部分も出てくるはずだ。実際に業務を行う社員と管理職でプランの見直し面接も行う必要がある。課題感のズレをすり合わせることもとても大事なことだからだ。
実行後は定着するまでにある程度の時間がかかるため、フォローを社員に対して企業全体で行っていく姿勢が大切になってくる。
オンボーディングが一通り終わったら、関わった人たち全てで評価を行うようにしたい。これを通じて次回の目標設定をさらにブラッシュアップさせていくことができる。
オンボーディングの目標を達成するための教育体制も人事として欠かせないことだ。
会社としては
なども、オンボーディングの目標設定と併用して会社が行うべきことと心得ておこう。
特にOJTや研修は、担当業務に必要な能力やスキル、企業のルール、企業文化や特性などを学ぶための大事な要素となる。OJT制度や研修取り入れて、小さな疑問をすぐに聞ける環境を作ることは、即戦力化や定着率への効果につながっていくのだ。その際に教育担当者間での教え方格差がないか、わかりやすい資料やマニュアルの提示をするなど、学ぶ環境、仕組みを「見える化」しておくことも大事なことである。
オンボーディングを実施する場合は、対象が新卒社員なのか、中途社員なのか、などによって内容がかわってくる。オンボーディングの効果を高めるためにも対象を整理して取り組み方を考えることが効果的なオンボーディングにつながる。
業務履歴、保有資格などといった情報だけではなく、実際のスキルや価値観を持った人材が自社で活躍してほしいのか、など会社としても方向性を明確にしておくことが大事なのだ。
オンボーディングで社員の人間関係の悩みが出てくることもあるだろう。
人間関係を良好にするには定期的な面談も必要なことになってくる。1年に最低2回は上司と面談をするプランをオンボーディングでも立てておくといいだろう。そのほか、新しい社員は何かとはじめは期待と不安が渦巻いているものなのだ。
初めからの不安を少しでもなくすには、受け入れ態勢を会社が整えておくことが重要になる。オンボーディングを有意義にスタートするために、しっかりと企業が受け入れ準備をして迎えることを忘れてはいけない。
初日から仕事に必要なものをそろえておき、新しく入った社員がパフォーマンスを発揮するまでの期間を短くするための工夫が必要になる。人間関係の構築をサポートするのは会社として当然のことなのだ。
新しく入った社員は組織の内部についてわからないまま業務をすすめているのであるから
会社として開かれた状態で受け入れ態勢を整えておかなければならない。
また、新しく入る社員だけでなく人事側や指導担当者は、チーム内の関係性や各々の性格、人間関係のより良い構築をサポートして行くことが大切になってくる。
部署内でも人や役職によって求められる成果が異なるものだ。そのため既存社員も新しく入った社員も上司も、人事と欲している責任者もお互いの期待値をすり合わせておく必要がある。期待値のズレを作らないようにすることは入社後のギャップを減らすことにつながる。
入ってからお互いが「こんなはずじゃなかった。」ということにならないようにしたいものだ。このことが、早期の離職防止にもつながっていく。実際に一緒に仕事をすることになるのは現場社員である。期待値をすり合わせておくことで、現場が欲する人材と採用人材とのギャップが生じるのを防ぐことができるようになる。
新しい社員に詰め込むだけでは意味がない。社員自身で振り返りをして、体験を積み重ねていく機会を与えることが必要だ。インプットした内容をアウトプットすることでバランスの良い業務が可能となる。
指導側はその作業をフィードバックする機会を作っていきたいものだ。具体的な知識を一連の動作にすることで、第三者からのフィードバックを得られれば社員の成長スピードを上げることにつながるのだ。週に1回、月に1回など期間を決めて定期的に個別面談を実施するのも良い機会になる。しかしながら、面談で本音を出せるかどうかは、その場の雰囲気にもよる。
上司では言いづらいことなどは後にも説明しますがメンターや相談窓口などを設けて
とりあえず吐き出す、アウトプットするなどのエリアを設けることも考えておくといいだろう。
入社前に採用のミスマッチをなくす対策も大事であるが、入社後に行うボーディングもさらに大切になってくる。さらに入社後にできるオンボーディング施策を紹介していくことにする。
入社後にできるオンボーディング施策例
会社の方針をあらかじめ既存社員に共有しておくことが大事になる。
業務に関しては誰がどのように指導するかを決めておこう。備品の場所やコピー機や細かい更衣室の使い方など、男女で違いは出てくるものであるが、休憩室や飲食を含めた会社の過ごし方についても誰に聞けばいいかわからない状況をつくらないようにすることが大切なのだ。
いざ業務が開始してしまうと、配属部署以外は人の名前すらわからないということもあるものだ(大手ならなおさら。)。誰がどのような業務を担当しているのか現実的にするためにも、可能な限り実際に業務を担当している社員が現場の声を伝えることが有効だ。
メンターとは相談役になる人のことを言う。配属先の上司以外で、何か困ったことや指導や相談役となる先輩社員を指作って新しく入った人のサポートに充てることの制度も社員の不安を取り除くきっかけになるはずだ。業務をすすめる中で部署内では直接、上司に相談しにくいことも出てくるかもしれない。悩みを放置しないことも定着率を高めたり、モチベーションをアップするオンボーディングの具体的方法といえよう。
職種によっては出張や外出が多く、また名前を出すと相談しづらい、聞きにくいということで一人悩んでしまう社員も出てくる可能性がある。
些細な質問事項など誰に聞いたらよいか、ということも悩みになってしまうかもしれない。また職場で入社してから困ったことなどをすぐに相談したいけど、口では言いにくいということもあるだろう。
その解決策としてはあらかじめ質問窓口をメールなどでできるようなサイトを設置しておくなどの工夫をするといいだろう。社外の顧問弁護士などの専門家が答えても良いものだし(社内の悩みを社内の人に相談しづらいことなど)、あるいはよくある質問をまとめたイントラページを作っておくのもありだろう。なかなか自発的に行動できない新しい社員もいるはずなので、オンボーディングで積極的に参加できるようにいろいろな引出しを考えてみてもらいたい。
いろいろと実際にオンボーディングを取り入れている企業の事例を、社員全員向け、新卒社員向け、中途社員向けなどで公開している企業もある。
ぜひオンボーディングの他社例なども参考にしながら、自社の規模に合わせてよい社員の勤労のためのオンボーディングを取り入れてみることをお勧めする。
また、本記事を作成したリスキルでは管理職向け オンボーディング&リテンション研修などの研修も提供している。ぜひ参考にしてほしい。