リスキルラボ 「研修がきつい」と感じる理由と対策【人事・採用担当者向け】

新入社員研修
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今、ほとんどの企業で実施されている新入社員研修だが、新入社員からは「きつい」「覚えることが多い」などの感想を寄せられることもある。

社会人のベースを配属になる前に学ばせたいという目的で実施しているものの、研修そのものがストレスとなってしまう場合もあるようだ。

本記事では、新入社員が入社後の研修に対して「きつい」と感じてしまう理由を確認した上で、予防策やそのような状態になってしまった新人への対応策を解説する。人事や採用担当の方にぜひ参考にしてもらいたい。

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新入社員研修に関する記事でわかること

なぜ「きつい」と感じるか

新入社員が入社後に実施される研修に対して「きつい」と思ってしまう理由としては、大きく以下の通りです。

覚えなければならないスキルや知識が多すぎる

入社後、5日間~2週間程度は新入社員研修を実施するという企業がほとんどだ。

内容としては以下の通りであり、学生時代に全く触れてこなかったExcel・Word・PowerPointのスキルを覚えなければならなかったり、社会人特有のマナーや電話応対スキルを習得するなど、多岐にわたる。

新入社員研修としてよく扱われるテーマ

これらを一気に実施することにより、以下のような不安を感じる新入社員がもいる。

「覚えなければならないことが、想定よりも多かった」
「1日目に習った内容を消化しきれないまま、翌日また違う内容を覚えることがきつい」
「研修内容は理解したが、職場で活かせるレベルまで習得できていない」

人間関係ができておらず、困った時に相談しづらい

入社式を終えてすぐ研修に入る場合も多く、新人同士の人間関係が作られていないうちにグループワークや発表を伴う研修を受けなければならないことが負担というパターンだ。

内定者研修など、入社前にある程度人間関係ができていることが理想だが、学生生活を優先することも必要のため難しい部分もある。

また、研修内で困ったことがあった際に上司や人事担当者がすぐそばにいる環境ではないため、相談しづらいということから「きつい」と感じてしまう場合もある。

環境の変化に対応しきれていない

社会人としての環境の変化に対応しきれていないため、1日7時間程度の研修を受けることがきついと感じてしまう場合もある。

職場に入って仕事を始めると慣れていくことがほとんどだが、何日間か続く研修については「拘束時間が長い」「受け身ばかりで退屈」と感じてしまう可能性もある。

指導担当者・講師が厳しすぎる

研修を担当する社内・社外講師が厳しいということも、きついと感じられてしまう一つの要因だ。

講師側が想定している新入社員のレベルと、本人たちの持つ現状のスキルにギャップがある場合に起こりやすい。講師はこの程度までできるだろうと思って話していても、新入社員にとってはレベルが高く理解が深まらないため「きつい」と感じてしまう

事前に全員のレベル感を把握することは難しいため、研修期間内である程度レベルを調整する・フォローをするなどの取り組みが必要だろう。

人事・研修担当としての予防・対応策(研修内)

企業や組織がコストをかけて研修を実施しているのだから、参加者にも「有意義だった」「入社後の漠然とした不安が拭えた」「モチベーションが上がった」と感じてもらえる研修にしたい。

一方で優しすぎる研修内容やレベル感では物足りなさを覚える新人も出てきてしまう。

ここからは、より効果的な研修を実施するために押さえておきたいポイントの中で「研修内でできること」について解説していく。

研修ごとのゴール・習得してほしいスキルを明確にする

数日間、複数のテーマで研修を実施する場合は、研修テーマごとのゴールをはじめに示してあげることが必要だ。

例えば、ビジネスマナー研修であれば
「今日の研修のゴール(目的)」は、敬語を使えるようになる、電話応対の流れを理解する、ビジネスメールの書き方の基礎を理解するの3つです」のようにする。

「何を研修として扱い、どこまで覚えて・身に付けてほしいか」を提示しておくなどだ。人はゴール、目指す方向が明確になると走り出しやすい。
「今何をしているんだろう」と思うことがないと、有意義な時間として研修期間を過ごしてくれることが期待できる。

研修内で成功体験を積ませる

研修内にワークやロールプレイングを取り入れている企業も多いだろう。発表などアウトプットする場を設けることで「研修で褒めてもらえた」「ビジネスメールの書き方がわかってきた」という小さな成功体験につながる。

実施したこと(行動)が認められることで、人はその行動をもっとしたいと思うようになったり自信につながる。研修期間内で成功体験を積めるようなワークを設定しておくこともおすすめだ。

適度な休息をとり、メリハリをつける

新入社員研修は、一般的に1日7時間まるまる研修を実施することが多く、長時間ゆえに「きつい」と感じてしまう場合もある。

そのため、1時間に1回休憩を取るなどメリハリをつけた運用が推奨だ。これは、社内・社外講師いずれを登壇させるにしても共有しておきたい部分だ。

また、昼休みは食事や休憩に集中させるなども良いだろう。「午後までにやっておいてね」などの宿題を残すことなく、きちんと休みを与えることが必要だ

双方向性のある研修内容にする

講師からの一方的な講義のみでは、きついと感じてしまう場合がある。そのため、研修内にワークやグループワーク、ロールプレイなどの「受講する側が発信する場」を作ることも必要だ。

それに対して講師もフィードバックすることで、双方向性のある研修となり退屈に感じることも減るだろう。理想としては1時間に1回程度はアウトプットする場を設けることが良い。

全員に発表させる必要はなく、「ここまで学んだことをどう活かすか書いてみて」「隣の人と名刺交換してみよう」など、少人数でアウトプットさせることで十分だ。

ゲーム要素を研修に取り入れる

研修内にビジネスゲームなどの要素を取り入れることもおすすめだ。

新入社員として覚えなければならないことが多いことは前提だが、一気に詰め込みすぎても結局忘れてしまう。特に午後の研修はじめにはアイスブレイクも兼ねて軽いゲームを取り入れると良いだろう。いくつかゲームの例を紹介する。

ブラインド・ドローイング

2人1組で背中合わせになる(A・Bとする)。講師からAに図形などを伝え、それを言葉だけでBに伝えていく。ノンバーバルコミュニケーション(目線、身振り手振り)や相槌がない状態でのコミュニケーションが難しいことが理解できる。コミュニケーション研修系で活用できる内容だ。

整列ゲーム

対面研修ならではのゲーム。「誕生月」「兄弟の数」などのテーマによって整列をさせ、早い方が勝ちというもの。テーマを選ぶ際には誰も問題なく選択できるものにしたい(年齢などセンシティブなものは避けたい)

積み木形式の自己紹介

全員もしくは10人ずつなどのグループで輪になり、「名前+好きな食べ物」を一人ずつ発言する。2人目以降は前の人のものをすべて言ってから自分の発言をする記憶ゲーム。相手の名前や好きなものを自然と理解することができるため、はじめのアイスブレイクに最適。20人以上になると後半の負担が大きいため、人数調整をすることが推奨。

共通点探し

2人1組になり、お互いの共通点を10個探すために会話を重ねていくゲーム。10個が難しいようなら数を調整しても良い。深堀りしていかなければ数が増えないため、自然と会話が弾むようになる。

人事・研修担当としての予防・対応策(研修外)

次は、研修以外の時間で行いたいことを解説する。

講師と人事・研修担当は、こまめに連絡を取り合う

新入社員研修として複数日程ある場合、1日終わるごとに講師側から人事・研修担当へのフィードバックをもらう機会を設けるとよいだろう。

フィードバックしてもらいたいこととしては以下の通りだ。

  • 新人全体のレベル感やその日の様子
  • 別途対応してほしい新人がいた場合、詳細情報(メンタル的にフォローが必要そうなど)
  • 問題のある新人がいた場合、その詳細情報
  • 次の研修講師に引き継ぎたいこと
  • 研修で使用するテキスト、資料、PC設定に関する問題

研修終わりに担当者が同席し、フィードバックをもらうことが理想だ。難しい場合はあらかじめフィードバックしてほしい内容を伝えておき、メールなどでのやり取りでも構わない。
研修が全て終わった後からでは対応が遅い可能性があるため、随時連絡を取っておこう。

昨年度の研修アンケートを確認する

新入社員研修のテーマを選定する段階で行っておきたいことだ。昨年度の研修を受けた方がどのような感想を持ったのか、改善すべき点はないかなどを探す手がかりとなる。
アンケートを実施していない場合はぜひ導入してほしい。

新人に、研修中の連絡窓口を伝えておく

研修中に何かあったり、相談したいことがあったら連絡をしてほしいメールアドレスや電話番号をあらかじめ伝えておこう。

些細な変化でも、早期対応をすることで離職を防ぐ効果もあるためだ

必要に応じて、個別面談を実施する

特に、2週間以上など長期の新人研修を実施する場合、中間あたりで面談を実施することも良いだろう。全員に対して実施する日を設ける他、対応が必要な新人には別途研修前後に実施するなどの対応をしたい。

他の新人に聞かれたくないことも多いため、できるだけ個室で対応できるよう環境にも気を配って実施しよう。

まとめ

本記事では、新入社員が「きつい」と思ってしまう理由とその予防や対応方法を解説してきた。

企業としても採用・研修にコストをかけている人材であり、今後の企業を担ってくれる存在でもあるため、ある程度の厳しさは残した上でも大切に育成をしていきたい。

適切なタイミングでのフォローや事前の準備など、すぐに導入できることも多いため、ぜひ実施してほしい。

この記事の監修者
リスキル事務局
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