中堅企業、というキーワードをご存知だろうか。大企業・中小企業に加えて新たに位置づけされる企業を指す言葉だ。
地域活性化のために経済・雇用の両面での支援が期待できる「中堅企業」とはどのようなものか。
本記事を通して理解してもらった上で、もしこの記事を読んでいる方が中堅企業に所属している場合、「一社員として今後必要なビジネススキルは何か」についても紹介していく。
中堅企業とは、従業員2,000人以下の企業のことを指す。産業競争力強化法の改正案により新しく定義づけられるものだ。
新たな位置づけをした理由の一つに、「地域経済の担い手として、中核的な役割を果たしてもらうため」ということが挙げられる。
現状、日本の大企業はその多くが海外に目を向けた動きをしている。一方、およそ9000社ほどあると言われる中堅企業においては、国内や地域に根ざした活動をしている企業が多い。
そのような状況にも関わらず、従来の政府の動きでは、中小企業・大企業が対象のものが多かった。今回中堅企業と定められた300人~2000人以下の企業は、制度だけではなく融資の面でも活用できるものが少なかったのだ。
日本経済や雇用面を活性・安定化への期待も含め、中堅企業に対して支援をしていくことが改正案に盛り込まれた。地域経済を活性化することは、その地域の雇用を生み出すことにもつながるため、経済・人材雇用の側面で大きく期待されている改善案と言える。
政府からは、中堅企業等支援に関する今後の取組方針 概要において、以下の支援策が検討されている。
もし、本記事を読んでいる方が中堅企業に所属する社員である場合、これらの支援を受けるための準備をある程度しておくことが良いだろう。参考までに活用できるスキルを紹介していく。
地域産業を活性化するために活用できるツールとして、支援内容の中にDXの推進という文言が多く見られる。
支援内容としてもDXを絡めた内容が含まれることが予想でき、「DXって何?」というところからはじめないためにも、ある程度の知識と活用できるスキルを身に付けておくことが良いだろう。
DX研修やセミナーなどを受講することもおすすめだ。
中堅企業には、地域の雇用に貢献する役割も求められている。多様な雇用体系や人材(シニア・外国人労働者・育児や子育てと両立して働く方など)を受け入れるためには、それをマネジメントする管理職にある程度の知識とスキルが求められる。(=ダイバーシティマネジメントと言う)
ダイバーシティ研修など、外部研修を受けてみる・他企業の成功事例を活用するなどで、多様な人材を受け入れ活用できる準備をしておくことが良いだろう。
多様な人材を受け入れつつ、変化に対応していくためには職場環境作りが必要だ。
上記のように管理職がマネジメントスキルを磨くことの他、社員一人ひとりとしても「今までと異なる層が新人として配属された場合、受け入れる体制ができているのか」など、多様性を受け入れる準備をしておくことも良いだろう。
中堅企業の支援策の中に「ヒトへの投資」というものがある。
「リスキリング(学び直し)による能力向上を支援し、物価高に打ち勝つ持続的で構造的な賃上げを実現する」というものだ。
助成金などの支援も期待できるため、「企業としてどの層に、何のスキルを底上げさせたいか」など、人事担当・管理職であれば検討しておきたいところだ。ある程度整理できていることで、実際に研修や勉強会を実施しなければならない場面で時間を取ることがなくなる。
本記事を作成しているリスキルでは、テーマ別研修や階層別研修など、対象者により様々な研修を用意している。ぜひ活用してもらいたい。
中堅企業の定義から、そこに所属する社員として準備しておきたいスキルまで紹介してきた。
地域経済の活性と雇用の安定という役割を担う新しい位置づけには、様々な期待が寄せられるだろう。
その期待に応える準備をしておくことで、より企業・組織が良い方向に進む。一つでも考えるきっかけになったらと思う。