リスキルラボ 事なかれ主義の社員に見られる特徴・解決方法を紹介【周りに流されない】

チームビルディング研修
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事なかれ主義を持つ社員は、自分の意見を言わないことが多い。
その分チーム内での言い争いは起こりづらいが、企業側から見るとデメリットだ。事なかれ主義の社員を減らして周りに流されない体制を作らないと、会社は成長しない。

本記事では、事なかれ主義の社員に見られる特徴や陥る原因、解決方法などを紹介する。

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事なかれ主義とは

事なかれ主義とは、波風を立てずに対処する考えのことだ。

穏便に物事を済ませようと考える方に多く見られる考え方で、社員間での争いごとや周囲からの反発を嫌う。そのため事なかれ主義の社員が多いと、特定の社員に依存する傾向が強くなり、誰かに頼る雰囲気がチーム内に出来上がる。組織を活発化させる意味でも、事なかれ主義の社員は減らすべきだ。

事なかれ主義の社員が多いと様々なデメリットがある

事なかれ主義の社員が多いと、チームにとってマイナスとなる。具体的には以下の通りだ。

モチベーションが下がる

事なかれ主義の社員が多いと、事なかれ主義を肯定する社員が増えていき、チーム全体のモチベーションが下がる。仕事への意欲を失う社員が多くなり、チームで業務を進めづらくなるだろう。

受け身の姿勢が出来上がる

事なかれ主義の社員が多いと、チームの中に消極的な行動をとる流れができる。そのため、各メンバーに受け身の姿勢がつく。受け身の姿勢がついた社員は、上司から指示されるまで動かない。その結果、仕事の流れが全体的に遅くなり、他部署の業務に支障をきたしてしまう。

チャレンジ精神が失われる

事なかれ主義の社員が増えると、保守的なチームになる。新たなことにトライしないため、チャレンジ精神が失われていく。その結果、時代の波に飲み込まれてしまい、会社として存続するのが厳しくなる。

社員が事なかれ主義に陥る原因は2パターン

事なかれ主義に陥る原因は2種類ある。ここでは、その原因を解説していく。

⓵個人が原因

1つ目は本人が原因で、事なかれ主義に陥るパターンだ。以下の内容が該当する。

当事者意識がない

当事者意識がない社員は、相手が意見を言っていても他人事だと捉えてしまう。言われるがまま流されていき、自身の考えも持たない。

責任感がない

自身の意見に対して責任をとりたくない社員は、自分から発信をしない。周囲から責められたくないため、他のメンバーと違う意見でも反論せずに終わってしまう。

向上心がない

向上心がない社員は、成長意欲がなく他人に流される傾向が強い。「給料がもらえるならスキルは磨かなくていいや」という気持ちが生まれて、事なかれ主義を貫く。

⓶組織が原因

2つ目は組織が原因で、事なかれ主義に陥るパターンだ。以下の事例が該当する。

正当な評価ができていない

会社で正当な評価ができていない場合、社員は何をやっても無駄だと思い出す。その結果「頑張っても意味がない」という考えが生まれ、事なかれ主義の道を歩むことになる。

失敗に対して厳しい社風

失敗に対して厳しい社風だと、失敗を避けるため社員達は新たなことに挑戦しなくなる。怒られない方法を探ることに専念しだし、自分を守る方向へ動いてしまう。

フィードバックがない

フィードバックがない場合、社員は状況が変わらないと悟る。会社に期待しなくなり、自分でスキルを高めようとすることも減っていく。その結果、事なかれ主義の社員が出来上がる。

事なかれ主義の社員を減らす方法(個人が原因の場合)

社員を事なかれ主義から脱却させるには原因を特定し、それに見合う方法を試すことが大事だ。ここでは個人が原因の場合の解決方法を、事例別に紹介する。

⓵当事者意識がないことが原因の場合

当事者意識がない場合、以下のことを実践すると良い。

発言の機会を与える

事なかれ主義の社員に対して発言の機会を与えると、自分事として捉えるようになる。定期的に発言する機会を設けると、自分事として考える習慣が身につく。結果、当事者意識を植え付けるのに成功し、事なかれ主義からの脱却も期待できる。

期待していることを伝える

社員に期待していることを伝えれば、褒められたことによって仕事へのモチベーションが上がる。褒められた側は期待に応えられるように、仕事を頑張りだす。その結果、自分事として業務と向き合う習慣が生まれるため、当事者意識を持って仕事に取り組めるようになっていく。

⓶責任感のないことが原因の場合

責任感のない場合は、以下のことを試すと良い。

重要度の高い業務であることを伝える

重要な業務を任せている旨を伝えれば、社員は真剣に行うべき業務だと認識する。責任感を感じ出し、事なかれ主義からの脱却をもたらす。

難易度が高い仕事を与える

普段よりも難易度が高い仕事を与えると一生懸命、目の前の業務に取り組む姿勢ができる。すると社員の中に「真剣にやらねばならない」という気持ちが生まれていく。その結果、責任感を持つ流れができて、事なかれ主義から脱却する社員を増やすことになる。

⓷向上心がないことが原因の場合

向上心がない場合、以下のことを試すと良い。

自己肯定感を高める

社員の自己肯定感を高めれば、自信を持つメンバーが増える。向上心が上がり、前向きに取り組む姿勢が形成される。それが事なかれ主義の社員を減らすのに役立つ。なお、社員の自己肯定感を高めるときは、以下のことに取り組むと良い。

成功体験を積ませる

成功体験が増えれば自分の自信につながるため、自己肯定感のアップが期待できる。ちなみに成功体験を積ませるときは、難易度が低いものから実践させた方が良い。難易度が高いものから行わせると、成功体験を積めずに自信を削ぐ恐れがあるからだ。

「仕事の復習を毎日行う」「昨日よりも1分早く仕事を終わらせる」など、頑張ればできそうな内容を行わせることが大事だ。

人との比較を辞めさせる

普段から人と比較していると、相手よりも劣っている部分を見つける習慣がつく。自分が劣っていると思うたびに自信を失くし、最終的には自己否定する恐れがある。

しかし人との比較を辞めさせると、自分に意識が向くようになり、自分の可能性を信じやすくなる。自分への自信がつくため、自己肯定感のアップが期待できる。

成長の場を与える

成長の場を与えるのも効果的だ。たとえば、業務で必要なスキルを習得するための場を与えると、参加者は自ら成長しようとする。その結果、向上心を高めることになり事なかれ主義からの脱却に役立つ。

研修やセミナーの実施、e-ラーニングなど様々な学習方法があるため、社員達の状況や性格を考えながら、使い分けるといいだろう。

事なかれ主義の社員を減らす方法(組織が原因の場合)

組織が原因によって、事なかれ主義が陥っている社員への解決方法についても事例別で紹介していく。

⓵正当な評価ができていないことが原因の場合

会社で正当な評価ができていない場合は、以下のことに取り組むと良い。

評価基準を明確にする

評価基準を明確にすると、評価に公平性が出やすい。社員達は正当な評価がされていると思い出し、評価を上げるために積極的に動こうとする。よって、事なかれ主義の社員を減らすのに役立つ。

評価の理由を社員に伝える

評価の理由を伝えれば、評価に納得感が出やすくなる。評価に納得感が出れば、社員は評価を上げるために頑張りだす。社員はどのように頑張ればいいか分かるため、自分事として業務をこなすようになっていく。それが、事なかれ主義の考えを取り去ることにつながる。

⓶失敗に対して厳しい社風が原因の場合

失敗に対して厳しい社風が原因の場合は、以下のことを行うと良い。

心理的安全性を高める

心理的安全性を高めると、自身の意見を発言しやすくなる。自分の意見を言えるようになり、業務に対して意欲的に取り組む姿勢が形成されていく。そのため、事なかれ主義からの脱却が期待できる。なお心理的安全性を高めるときは、以下のことを意識すると良い。

失敗を許容する文化を作る

チームの中に失敗を許容する文化ができれば、積極的に行動していく流れができていく。したがって、心理的安全性を高める効果が期待できる。

多様性を大事にする

たとえば「〇〇でなければならない」「〇〇しか認められない」と決めると、それに該当しない方は発言できなくなる。それだと心理的安全性は確保されない。その状態を作らないためには、多様性を受け入れることが大事になる。

多様性を受け入れる文化があれば、他の価値観を気にすることが減るため、自身の考えを気軽に発言できる。よって、心理的安全性を高めるのに役立つ。

弱みをさらけ出せる雰囲気を作る

弱みをさらけ出せる雰囲気を作るのも、心理的安全性を高めるのに効果的だ。たとえば、チームの中で重要なポストに就いている社員が弱みをさらけ出せば、他の社員達は「〇〇さんにも悩みがあるんだ」「悩みを隠す必要はないんだ」と認識し、自分のことを話し出す流れができていく。結果、心理的安全性を高めるのにつながる。

チーム間で信頼関係を構築しておく

普段からチーム間で信頼関係を構築しておけば、メンバー同士の距離感が縮まるため発言しやすくなる。それが心理的安全性を高めることになる。

⓷フィードバックがないことが原因の場合

フィードバックがない場合、以下のことを行うと良い。

1on1の実施

1on1とは、上司と部下が1対1で面談することだ。定期的に1on1の時間を設ければ、必然的にフィードバックの時間が生まれる。

上司に良いフィードバックをもらおうと、頑張ろうとする社員が増えていく。それが、事なかれ主義の社員を減らすのにつながる。

メンター制度の導入

メンター制度とは、若手社員と違う部署の先輩社員がペアを組んで、悩みを相談することだ。相談すれば、先輩社員からフィードバックをもらえる。

しかも同じ部署の上司や同僚に相談する場合と比べると、利害関係がない分本音で話しやすい。仕事に対するモチベーションアップも期待できるため、事なかれ主義の社員を減らすのに役立つ。

メンター制度を始めて導入する、もしくは導入はしているが通常の部下育成や後輩指導と変わらない対応をしている場合、メンター研修などを実施することも一つの手段だ。メンターとは何かというところから、現状のメンティ(教わる側)に対しての対応方法を振り返り、明日から改善できる研修内容だ。ぜひ参考にしてほしい。

まとめ

事なかれ主義では、波風を立てずに物事を解決することを基本としている。社員間での言い合いや争いごとが起きづらいため、一見すると平和的に見える。しかし事なかれ主義の社員が多いと、チームのモチベーションが下がったり消極的な行動をとったりする流れになるため、会社からすると良くない。したがって、事なかれ主義の社員は減らすべきだ。
この状態を解消するには原因を特定し、それに見合った対策を講じることが大事だ。原因ごとの対処方法は以下の通りだ。

個人が原因

⓵当事者意識がないに対する解決方法

・発言の機会を与える
・期待していることを伝える

⓶責任感がないに対する解決方法

・重要度の高い業務であることを伝える
・難易度が高い仕事を与える

⓷向上心がないに対する解決方法

・自己肯定感を高める
・成長の場を与える

組織が原因

⓵正当な評価ができていないに対する解決方法

・評価基準を明確にする
・評価の理由を社員に伝える

⓶失敗に対して厳しいに対する解決方法

・心理的安全性を高める

⓷フィードバックがないに対する解決方法

・1on1の実施
・メンター制度の導入

上記のように効果的な解決方法を試せば、事なかれ主義の社員を減らすことになる。会社を成長させるには、社員達を事なかれ主義から脱却させて、積極的に取り組む姿勢を作ることが大事だ。ぜひとも事なかれ主義の社員を減らして、組織を変えていただければと思う。

この記事の監修者
リスキル事務局
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Q&A
  • 事なかれ主義とは、波風を立てずに物事を進めようとする考え方のことです。自分の意見を言わずに、場の雰囲気に流されるのが特徴です。
  • 個人の場合と組織の場合があります。個人が原因の場合、当事者意識・責任感・向上心の欠如が挙げられます。一方、組織が原因の場合「正当な評価ができていない」「失敗に対して厳しい」「フィードバックがない」などが挙げられます。
  • 個人が原因の場合、活躍できる場所や重要な業務を与えたりすることで、事なかれ主義からの脱却が期待できます。 一方、組織が原因の場合は評価制度を明確にしたり、定期的にミーティングを行ったりなど、会社としての制度を変えることで、事なかれ主義からの脱却が期待できます。
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