リスキルラボ ナレッジワーカーとは|必要なスキルを紹介【知識を活かせる社員を増やす】

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一昔前は、マニュアル通りに進める「マニュアルワーカー」が多かった。しかし現代では、マニュアルワーカーよりも「ナレッジワーカー」が必要とされる場面も増えてきた。

ナレッジワーカーの育成に力を入れる会社もあるが、スキルがなければ活躍するのは難しい。本記事ではナレッジワーカーの概要を紹介しつつ、必要なスキルや育成のポイントなどを解説する。

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ナレッジワーカーとは

ナレッジワーカーとは、専門知識を活かしながら付加価値のあるサービスを提供していく労働者のことだ。1960年代に誕生した言葉で、コンサルタントやITエンジニア、データサイエンティストなどが該当する。

習得した知識を活かしながら仕事の進め方を決めるため、自分で考える場面が多い。よって、人から指示を与えられた方が良いと思う方にとっては、厳しい働き方だと言える。

ナレッジワーカーとマニュアルワーカーの違い

ナレッジワーカーの場合、仕事のルールはあるものの作業マニュアルは存在しない。顧客によって提供するものが違うため、基本的に自分で考えながら仕事を進める。同じ業務内容でも、社員達によって仕事の進め方が違う。

一方マニュアルワーカーとは、手順書通りに作業を進めていく労働者を指す。単純労働や肉体労働などが該当する。誰が作っても同じクオリティのものを提供しなければならない。マニュアルの通りに行動するため、どの社員であっても業務の進め方は同じだ。以上のことより、ナレッジワーカーとマニュアルワーカーは対極的な働き方だと言える。

ナレッジワーカーが必要な理由

ナレッジワーカーが必要な理由は以下の通りだ。

IT化による知識の価値向上

IT化が進んだことで、知識を活かせる場面が増えた。たとえば「ホームページの構築」では、サービス内容やターゲットなどを考慮して、デザインやフォーマットなどを考えなければならない。方程式のように答えが決まっていない分、習得した知識をもとに取り組まなければならない。

IT化によって、知識を活用する場面が増えた。そのため、ナレッジワーカーは不可欠な存在だと言える。

ナレッジを商品として扱いやすくなった

社内で溜まったナレッジをオンライン上で商材を扱い出す企業も現れてきた。社外秘の情報を取り扱う企業も現れたため、ナレッジに関心を持つ方も多くみられる。

近年では独立を考える方も増えており、他社のナレッジを自社の経営に活かす方も増えてきた。それもナレッジワーカーが必要とされだした理由だ。

ナレッジワーカーに必要なスキル

ナレッジワーカーとして活躍するには、様々なスキルが必要だ。ここでは必要なスキルを5つ紹介する。

情報収集力

ナレッジワーカーは、自身の持つ情報を活用しながら業務に取り組んでいく。情報量が枯渇していると、相手に価値のある情報を提供できない。それを防ぐ意味で、情報収集力は必要だ。情報収集力を磨くには、以下のことを行うと良い。

目的を持って情報収集をする

目的を持たずに情報収集をすると、必要のない情報まで集めてしまい時間の無駄になる。限られた時間内で必要な情報のみを集めるためにも、目的は持った方が良い。

様々な視点で情報を集める

特定の情報源に頼って情報収集を行うと、偏りが出てしまう。その結果、集めた情報の質が低くなる。情報が真実か見極める意味でも、様々な視点で情報を集めるべきだ。

ツールを活用する

ツールを活用すれば、効率的に情報を集められる。質の高い情報を提供するツールや、情報収集しやすい環境を作ってくれるツールなど、様々なものが存在する。予算や使い勝手などを考慮した上で決めるといいだろう。

アウトプット力

ナレッジワーカーは、自分の考え方を相手に伝えることも多い。知識を習得しても、相手に上手く伝わらなければ仕事にならない。その状態を作らないためにも、アウトプット力が必要だ。以下のことに注意しながらアウトプット力を磨くと良い。

アウトプットの習慣を増やす

たとえアウトプット関連の知識を身につけても、場数を踏まなければ上手にアウトプットできない。したがって、普段からアウトプットする習慣を作ることが大事だ。アウトプットの数を増やせば、上手な伝え方や表現方法などが自然と身につくだろう。

しかし実践しようと思っても、続けられない方もいる。そのときは「1日〇回はアウトプットする」と目標を決めておくと良い。目標を決めれば達成しようとする意識が生まれるため、習慣化に役立つ。

具体的なアウトプットを心掛ける

アウトプットの内容が抽象的だと、相手に理解してもらうのは難しい。相手の理解度を高めるには、具体的なアウトプットが必要だ。

たとえば「工程が良くない」という内容であれば、「〇〇の工程はプロセスの数が×個多いから減らした方が良い」と伝えると良い。何をすべきか理解できるため、相手の理解度は上がる。理解度が上がれば、行動に移すまでの時間が短くなる。その積み重ねが、業務の生産性アップへつながっていく。

相手によってアウトプットの仕方を変える

身につけている知識や立場は、相手によって違う。よって、アウトプットの仕方も相手によって変えるべきだ。

アウトプットの仕方を臨機応変に変えれば、伝わりやすさはアップする。その結果、ナレッジワーカーとしての成果も挙げやすくなるはずだ。

アウトプットすることを想定しながらのインプット

アウトプットすることを想定しながらインプットすれば、吸収した内容を相手へどのように伝えれば良いかイメージする習慣ができる。それが質の高いアウトプットを生み出す。

想像力

ナレッジワーカーは、様々な視点からアイデアを提供しなければならない。したがって、想像力も必要とされる。想像力を磨くときは、以下のことを意識すると良い。

経験値を増やす

経験値を増やす理由は、広い視野を持つためだ。視野が広くなると、物事を様々な視点で考えられるようになり、閃きやすくなる。

なお経験値を増やすときは、未体験のことを行うと良い。「接点のない社員と会話する」「初めて行く場所へ足を運ぶ」などが該当する。新たな発見ができるため、想像力アップに最適だ。

枠に捉われない

枠に捉われると、過去の前例をもとに考えようとする習慣が身につく。すると視野が狭まり、魅力的なアイデアが生まれなくなる。

他の人が思い付かないアイデアを生み出すのも、ナレッジワーカーには必要だ。よって、枠に捉われるべきではない。

前提条件を疑う

事象に対する前提条件を疑うと、違う視点で物事を見るようになり、閃きが起こりやすくなる。それが発想力の強化に役立つ。

「設定されているルールが本当に正しいか」「そもそも、必要な業務か」と言った形で、様々な視点で前提条件を疑うといい。気付きを得やすくなるため、発想力の強化につながる。

問題発見力

問題発見力があれば原因をハッキリと突き止められる。そのため、最適な対策方法を提供しやすくなる。問題発見力を高めるには、以下のことを意識すると良い。

ゼロベース思考の習得

ゼロベース思考とは過去の前例や固定観念などを取っ払い、ゼロベースで物事を考えることだ。現状をベースに考えると、本質的な問題に気付かないケースがある。表面的な課題ばかり見た結果、誤った解決案を提示してしまう恐れがある。その状態を作らない意味でも、ゼロベース思考の習得は大事だ。

理想と現実のギャップの把握

理想と現実のギャップを把握すれば、何がネックになって実現できないのか見えてくる。その結果、課題を見つけやすくなり問題発見力の強化につながる。

なぜなぜ分析の実施

なぜなぜ分析とは、テーマに対して何度も「なぜ?」と問いかけていくことだ。何度も「なぜ?」と問いかけることで、深堀しながら分析できる。最終的には問題の本質が浮き出るため、問題発見力の強化に役立つ。

チャレンジ精神

未知の課題を解決しなければならないケースもある。その場合、チャレンジ精神も必要だ。チャレンジ精神があれば、取り組んだことのない事象に対して行動できる。チャレンジ精神を養うには、以下のことを心掛けると良い。

失敗に動じない心

チャレンジして失敗するケースは珍しくない。そのときに動じない心を持てていれば、失敗を理由に諦めなくなる。自分を信じて行動し続ける力が養われるため、チャレンジ精神を養うのに最適だ。

ポジティブシンキングの習得

ポジティブシンキングを実践すれば、未来の可能性にフォーカスする習慣がつく。新たなことに取り組む姿勢が出来て、チャレンジ精神を養うのに役立つ。

一方ネガティブシンキングの方は「やらない理由」を考える習慣がつきやすい。その結果、保守的になって消極的な行動をとってしまう。積極的に動いてもらうためにも、ポジティブシンキングを習得させるべきだ。

ゴールの設定

たとえハードルが高くても、ゴールを決めておけば、それに向かって動こうとする気持ちが生まれる。結果、チャレンジ精神が養われていく。頑張れば達成できそうなことをゴールに設定することで、効果が出やすくなる。

ナレッジワーカーを育てるポイント

最後にナレッジワーカーを育てるポイントを紹介する。

相手の意見を肯定する

相手の意見を肯定すれば、人目を気にせずに発言しやすくなる。そのため、独創的なアイデアを生み出すのに役立つ。

これが相手の意見を否定する文化だと、独創的なアイデアがあっても発言するのを躊躇ってしまう。その結果、似たり寄ったりなアイデアしか出なくなる。新しい風を吹き込む意味で、肯定する文化は大事だ。

知識習得の場を設ける

知識習得の場を設ければ、興味を持った社員は自主的に活用する。それが、質の高いナレッジワーカーを生み出すのに役立つ。たとえば、このような形で知識習得の場を設けると良い。

研修

社内研修と社外研修の2種類ある。研修内容や参加人数、社内にある研修ノウハウなどを考慮して使い分けるといいだろう。具体的に学んでほしい研修内容は以下の通りだ。

いずれも、ナレッジワーカーに必要なスキルとして上で紹介したものだ。社内・社外での開催いずれでも活用できるため、ぜひ参考にしてほしい。

有志による勉強会

社員の有志によって勉強会を行うケースもある。参加者には共通の目的があるため、お互いのモチベーションを上げやすい。コミュニケーションの活発化にもなって良いだろう。

e-ラーニング

e-ラーニングとは、自身でオンライン学習できるシステムのことだ。スキマ時間を活用しながら学習できるため、時間がない方にも便利だ。

自分で考えさせる習慣を与える

上司が答えを伝えるばかりだと、自分の頭で考えなくなる。よって、答えを教えて欲しいと言われても、自分で考えさせる習慣を与えることが大事だ。

ちなみに自分で考えさせるときに大事なのは、「疑問形」で問いかける機会を増やすことだ。たとえば「自分だったらどうする」とか「今、何をしたら良いと思う」と言った形だ。自分の意見を考える時間が生まれるため、考えさせる習慣を与えるのに役立つ。

まとめ

社内の知識を活用する動きは、様々な場所で起こっている。その波に乗るには、ナレッジワーカーの育成が重要だ。ナレッジワーカーが増えれば、クライアントに知識を提供できる体制が整う。それが、会社の成長へつながっていく。

しかしナレッジワーカーとして活躍させるには、様々な知識を習得させなければならない。最低限、以下のスキルは習得させた方が良い。

  • 情報収集力
  • アウトプット力
  • 想像力
  • 問題発見力
  • チャレンジ力

上記のスキルが身につけば、ナレッジワーカーとしての価値が上がる。その他にナレッジワーカーを育成するときのポイントもあるため紹介する。

  • 相手の意見を肯定する
  • 知識習得の場を設ける
  • 自分で考える習慣を与える

上記のことを意識しながら育成すれば、仕事ができるナレッジワーカーとして成長するだろう。IT化によって知識の価値が向上し、ナレッジを商品として扱いやすくなったため、今後もナレッジワーカーは必要とされる。

逆に、マニュアル通りにしか動けない「マニュアルワーカー」は、需要が低くなっていく可能性が高い。ぜひナレッジワーカーの育成に力を入れて、時代の波に飲み込まれない状態を作っていただければと思う。

この記事の監修者
リスキル事務局
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Q&A
  • ナレッジワーカーとは、知識を活かしながら働く労働者のことを指します。ITエンジニアやコンサルタントなどが該当します。
  • 情報収集力や発想力、問題発見力、アウトプット力、チャレンジ力が必要です。ナレッジワーカーは、価値のある情報を提供し分かりやすく伝えなければいけません。さらに、前例のないことにトライする場合もあります。よって、これらのスキルは身につけた方が良いです。
  • 相手の意見を肯定して、自分の持っている知識を活かしやすい環境を作ることが重要です。それが考える機会を与えることにつながります。その他に知識習得の場を与えて、会社としてサポートすることで、さらなる成長が期待できるでしょう。
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