本記事では、新入社員研修後や配属後に日々提出を求められることの多い日報の基本的な役割や、日報を書くコツをわかりやすくまとめました。研修報告書・研修レポートにも活用できるスキルとなっています。
これから新入社員研修を受ける方、日報を書く機会が増える社員の方はもちろん、日報をどのように活用すればよいか悩んでいる上司や先輩職員の方にもおすすめの内容です。
目次
まず、社会人が日報を作成する意味や役割を押さえておきましょう。
日報とは、その日の業務内容や学び、気づきをまとめた報告書です。多くの場合、上司や先輩社員に出し新入社員の進捗や理解度を把握するのに役立つ情報源となります。
特に、新入社員研修の日報は、研修で学んだ知識を翌日以降の業務にどう活かすかを明確にできる重要なツールです。自分の学んだポイントを振り返り、わからないところを整理することで、より効率的に研修の内容を吸収できます。
日報は、新入社員側・先輩社員や上司側いずれにもメリットがあります。
新入社員における日報のメリットは以下の3つです。
日報は学んだことを整理し、理解を深めるための絶好の手段です。6~7時間という長時間の研修を受けただけで、「何を学んだか」「どう活かせるか」を整理しなければ記憶は薄れていってしまいます。思考を整理し、職場での業務に活かせるようにするために必要な業務が日報作成だと言えるでしょう。
また、日報を書くことで自分の業務スタイルや優先順位を確立しやすくなります。振り返る習慣が身につけば、同じミスを繰り返さず、成長スピードを高めることに役立ちます。
先輩社員や上司にとってのメリットは、新入社員の業務理解度や進捗を正確に把握できるということです。忙しい中でも、短時間で新人の状況を把握できれば、的確なサポートが可能になります。日報から読み取れる新人の疑問点や課題をピンポイントで補ってあげることで、研修の効果をより高めることができます。また、新人とのコミュニケーションを活性化し、円滑なチームワークづくりにも役立ちます。
日報に記載する項目を理解することで、効率よく作成できるようになります。以下は一般的に言われている項目です。企業ごとに指定の項目やフォーマットがある場合にはそれに従ってください。
いつ研修を実施し、どこでどの講師から受けたのかを記載します。日報提出先が人事担当の場合、複数の研修に新入社員(受講者)を向かわせている場合もあります。わかりやすいように冒頭に記載しておきましょう。
新入社員研修後の日報の場合は、研修でどのような内容を扱ったかを記載します。目次や項目が配布された資料にある場合はそれを活用しましょう。なお、配属後も業務日報として日々提出が必要な場合は「本日の業務内容」がここにあたります。
感想や気付きを書く部分です。以下2点に分けるとわかりやすいでしょう。
研修や業務を通じて得た学びや気づきを書き留めることで、自分だけでなくチーム全体の知見にもつながります。具体的には、上手くいった点や失敗から学んだことを、簡潔かつ具体的に記入するとよいでしょう。周囲のフィードバックを得やすくなり、次の研修や業務にすぐに活かせます。
研修や業務を通して、今自分が抱えている課題を認識し、それに対する改善策を具体的に示します。ここに気づけるかどうかという部分が日報の重要な役割の一つです。課題を放置せず日報に書いておくと、周囲が早めに気づいてアドバイスも得やすくなります。新入社員のうちは、どこでつまずいているのかを客観的に捉えにくい場合もあるため、こまめに書き残すことが重要です。
次回の研修や業務でどのようなことに取り組むかを明確にしておくと、タスクの抜け漏れ防止に役立ちます。
研修が終わり日報を書こうとしても、どこから手をつければいいのかわからないという声は少なくありません。ここでは、効率的に情報をまとめつつ、読み手に明確に伝わる書き方のヒントを紹介します。
多忙な上司や先輩が読むことを考え、情報を箇条書きや5W1Hのフレームワーク(誰が、いつ、どこで、何を、なぜ、どのように)で整理するのがおすすめです。要点を簡潔にまとめると、読み手は必要な情報をスムーズに把握できます。
失敗や課題を記載した上で、そこからどう行動するかを前向きに示すことが大切です。
改善策が浮かばなかったとしても、改善するためにどう行動するかを加えるだけで問題ありません。(例:今日のビジネスマナーではExcelの機能を覚えることで手いっぱいだった。土日をはさんでExcel応用研修があるため、復習をしつつ自宅のPCでも練習をしたい など)
新人のうちは、どんな失敗も学びのチャンスです。単に「できなかった」で終わるのではなく、「次はどのように工夫するか」を考え、ポジティブな表現で締めくくりましょう。
日報はできるだけ短い時間で作成することが理想です。研修中は他にも学ぶことが多く、日報に過度な時間を費やすのはおすすめできません。
定型のフォーマットやテンプレートを事前に用意しておき、必要な項目を漏れなく埋めるだけで完成するようにしておけば、すぐに共有できます。ミスなく伝わることを意識しつつ、完璧を目指しすぎないバランス感覚を持って作成しましょう。
日報を効率的に仕上げるためには、その場で気づいたことを小まめにメモしておくのがおすすめです。後で頭の中から思い出す手間が省け、正確性も向上します。
特に新入社員研修では、講師からのアドバイスを一度に大量に受けるため、後で振り返ってみても忘れてしまっている場合も多いものです。メモを取ることで、質の高い振り返りができるようになります。
以下は新入社員研修での記入例です。例文も含めて記載しています。
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タイトル:【◯/◯】本日の日報
本文:
お疲れ様です。
◯◯です。(部署やチーム名が必要な場合は記載)
本日の日報を提出いたします。
■研修名:新入社員向け ビジネスマナー研修
■日時:◯/◯ 9時~18時(休憩1時間)
■場所:会議室A
■講師:◯◯ ◯◯講師(社員講師の場合◯◯さん、など)
■研修内容
◯◯◯◯
■所感
・研修での気づき
◯◯◯◯
・自身の課題や改善したい点
◯◯◯◯
■明日の予定
本日と同じ場所・時間にて
新入社員向け Excel研修を受講いたします。
よろしくお願いいたします。
◯◯ ◯◯(署名)
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上司や先輩社員向けに、日報の活用方法についてポイントを解説します。
日報が届いたら、迅速かつ前向きなフィードバックを行いましょう。ポジティブな部分を評価しつつ、改善の余地があれば建設的にアドバイスを提供し、新人の学びを後押しします。
なお、基本的にはすべての日報をその日に確認し、コメントやフィードバックを行います。毎日研修がある場合も多く、ためてからチェックすることは良いとは言えません。新入社員の人数が多い場合には、複数の担当者でチェックをするような体制を準備しておきましょう。
日報内に疑問や課題が書かれていれば、早めに声をかけて解決策を一緒に考えるなどの対応をします。問題を放置しないことで、新入社員のモチベーションを保ちやすくなる他、早期離職防止にもつながります。
特に、新入社員は学生から社会人への移行という大きな節目に立っています。少しの疑問や不安から心や身体の健康が損なわれる可能性もあります。研修後に少し面談の機会を設けるなど、本人と相談をした上で早めに対応するようにしましょう。
日報は、単なる上司への報告手段ではなく、新入社員自身の成長を加速させる大きなきっかけになります。また、上司や先輩にとっても新人の状態を正確に把握できるため、適切なフォローが行いやすくなるでしょう。新入社員、先輩・上司ともにより良い活用方法を理解し、実践してみてください。
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