「今年の新入社員研修で、何するか」という悩みは、人事・研修担当者によく起こるものだ。
数年研修内容を変えていない場合、新入社員側からも「今の自分の悩みは解決できなかった」「受けても職場や配属先で活かせない」「調べればわかる内容だった」という感想に繋がる。受ける側のモチベーションを高めつつも、職場で即座に活用できる考え方やスキルを学ばせる研修には頭を悩ませるだろう。
本記事では「今年の新入社員研修を成功させるために、おさえたいポイント」を解説していく。これから研修会社や社内講師を選出する企業も多いだろう。ぜひ参考にしてほしい。
目次
新入社員研修が成功した状態とは、具体的に以下のことが達成できた状態を示す。
職場で求められているスキルについては、1日~5日で全てを身に付けることは難しい場合もある
(例:新入社員向け Excel(エクセル)研修を受け、関数を使いこなすなど)
ただ、「何が自分に足りないのか」という、力を入れて取り組む方向性がわかるだけでも違う。業務を覚えることと並行して磨くべきスキルに気づかせるということだ。
人事・研修担当としてはここを目指した上で研修会社や研修に登壇する講師を選び、実施する研修内容・カリキュラムを選定していく必要がある。
具体的には以下5つのポイントを押さえることで、新入社員研修を成功に近づけることができる。
もちろん企業によって+αはあるが基本的に押さえておきたいポイントのみ解説する。
最も重要なことは、参加者である新入社員に「何のために研修をするのか」「研修を通して何を身に付けてほしいか」を理解してもらうことだ。
人事・研修担当側で、実施する研修ごとの目的(研修後になってほしい姿)を新入社員に提示しよう。
社外の研修会社を使う場合は、営業担当と研修の目的をよくすり合わせておく必要がある。社内で講師をたてる場合は登壇する社員に目的を適切に伝えておこう。使用する研修テキストに目的を書いておくことも良いだろう。
研修当日、冒頭で講師から目的伝えることも効果的だ。
研修開始後の5分で受講する側の参加意欲が変わってくる(いわゆる「つかみ」の部分)。
何のためにやり、それが自分や会社のためになるということに納得してもらうことで、研修内容を聞き入れやすくする効果がある。
人事・研修担当としてここが明確に示せていないテキストや研修内容であれば強化してほしい。
目的(ビジネスマナー研修参加後になってほしい姿)
自社の新入社員研修は、毎年内容を見直しているだろうか。見直していない場合は改善してほしい。
なぜなら、研修は、参加者の背景や経験に内容を合わせる必要があるためだ。
研修は受けるだけではなく、学んだ内容を職場で活かして初めて効果を発揮する。そのため、配属先や職種に合わせた内容になっていることが重要だ。
例えば、営業職と事務職の配属先がある企業の場合、その年の新人配属先のほとんどが営業であったとしよう。配属先が大きく偏っているにもかかわらず、以下のように内容が変更されていないと適切な研修とは言えない。
参加者のレベル感や背景に合わせた内容にすることも良いだろう。
例えば、海外の方も含めたビジネスマナー研修を実施する場合「そもそもビジネスマナーって何?」「なぜ相手を敬い、敬語を使う必要があるのか」など、日本の文化などに触れて説明していくことが効果的だ。
納得感がなければ人は行動しない。そのような意味でも、参加者のレベル感・背景を人事・研修担当者がきちんと把握し、適切な内容にカスタマイズしてほしい。
社内で行う場合、受講生と同じ職種や仕事を経験した講師がよいだろう。そのような社員を選ぶことが難しい場合、あらかじめ参加者の配属先や話してほしい内容・ケースワークを人事・研修担当者側で検討・作成しておく必要がある。
社外で行う場合、カスタマイズに対応可能な研修会社を選ぼう。選択する際の判断基準の一つとしてほしい。なお、本記事を作成しているリスキルでは、研修ワークやケースワークのアレンジが自由に可能だ。
アクティブ・ラーニングとは、自ら考え行動することを主軸とした学習方法だ。
新入社員研修を「ただ講師の話を聴く場」にしてはならない。研修参加者や配属先に合わせた内容にした上で、ワークやケースワークが適宜入っている形が理想だ。
具体的な量としては、1時間に1~2回は参加者が考えたり手を動かす機会があると良いだろう。
社内講師を立てる場合、どのようなワークをさせるか考えることが難しい場合がある。その際は解説したスキルや考え方について自分はどう思うか、何を改善したいかを振り返らせるだけでも良い。
特にコミュニケーション系については、頭でわかっていても言葉に出すと意外とできない場合が多い。
上司への報告の仕方、取引先へ訪問した際の挨拶、電話の受け答えなどについては必ずワークを入れてほしい。
一般的なものを学ばせた上で配属先に合わせた内容にすることがより良い形のため、「基本的なワーク」「自社や配属先に合わせたワーク」の2つを実施したい。
そうすることで、基本を学んだ上で応用を自社や配属先に合わせた内容を学ぶことができる。
研修を4月に実施するだけが人事・研修担当者の仕事ではない。人は一度学んだことを徐々に忘れていってしまう場合が多いため、適切なタイミングでの学び直しが必要となる。
新入社員に関しては、仕事に慣れてきはじめた6~8月あたりに、新入社員フォローアップ研修という形で実施されることが多い。
ここで何をするかについても人事・研修担当者で検討してほしい。
具体的には、「求められている役割を果たそうとしているか」「適切なビジネスマナーで普段から対応できているか」などを振り返った上で、スキルアップを狙う内容にすると良いだろう。
なお、配属先の上司にヒアリングをする(アンケート回答など)方法もある。身に付けてほしいけどまだ強化が足りないことや研修で扱ってほしいことを聴く他、新入社員の成長度についてもヒアリングすることでが理想だ。
入社前、新入社員としては新しい環境への不安を抱えている状態だ。もし可能であれば、入社式のスケジュールなどと一緒に研修日・研修場所・研修内容なども共有しておこう。
入社後に何をするかが明確になり、また研修で扱うテーマについても事前に調べておいてもらえるかもしれない。
漠然とした不安を具体的に実施するスケジュールや内容で埋めることも重要だ。
本記事では、新入社員研修を成功させるために、おさえたいポイントを確認してきた。
「自社での新入社員研修の内容はどうか」という視点で改めて振り返り、内容に改善や修正が必要な場合は手を付けてほしい。
また、本記事を作成したリスキルでは、カスタマイズ可能で参加者が増えても料金一律ということをメリットに研修を提供している。
オンライン・実地・その両方のハイブリッドいずれも同料金で提供可能だ。外部の研修会社を検討している場合、ぜひ一度問合せてほしい。