若手社員の仕事に対する価値観や向き合い方は変わりつつある。そのような中、現代の若手社員育成方法に悩む会社は多いのではないだろうか。
本記事では、若手社員の果たすべき役割に有用なスキルを紹介する。若手社員の育成に困っている方や人事・採用担当者は、ぜひ参考にしてほしい。
目次
若手社員の役割は「担当業務の業務遂行」「チームへの貢献」「若手ならではの視点で提案・企画をする」の3つだ。
役割の1つ目は、任された仕事を一人でこなせるようになることだ。担当業務を自分一人の力と周囲との協力をもって完遂することが求められる。そのためには以下のようなスキルや工夫が必要だ。
人事・採用や研修担当として、自社の若手社員にこの辺りのスキルが身に付いていない・弱いという場合は、強化する必要がある。
チームへ貢献する行動を起こすことも、若手社員の役割だ。リーダーの良きフォロワーとなるような行動をしたり、後輩指導を主軸となって行なったりできることは数多くある。これらへの対応は、若手社員の自発的な動きに任せても構わないが、難しい場合は「人事採用担当・研修担当・管理職側から、そのような機会を提供する」ということも良いだろう。例えば、OJT担当に任命する、小さなプロジェクトのリーダーを任せてチームで動く重要さを感じてもらうなどだ。機会を提供することができていない場合は、これを実践してみても良いだろう。
その年代独自の価値観や新しい視点で、既存のサービスや商品、マニュアルを改善していく動きも求められる役割だ。既存社員にとっては当たり前になっているものや変える必要がないと思っていることでも、提案できることは多くある。毎月何らかの改善案を出してもらうような取り組みや、会議のたびに業務改善について話す機会を設けるなど、上司側からの機会を設けることが有効だろう。
若手社員に求められる役割を果たすためには、以下のスキルを強化する必要がある。もし若手社員向けの勉強会や研修、取り組みを検討している方がいれば、ぜひ参考にしてほしい。
業務遂行力は、どんな仕事も最後までやり遂げる力だ。若手社員には、まずそのスキルをしっかり身に付けてほしい。そのために人事・採用担当者ができることは、以下の通りだ。
若手社員が業務に慣れてきたタイミングで、もう一度業務の基礎を見直してもらおう。基礎をおろそかにすると、スキルが頭打ちになるケースが多い。ちょっとした確認ミスが、大きなトラブルに発展することもある。将来、より高度な業務を担ってもらうためにもセオリーを常に意識してもらうことが重要だ。
若手社員にタイムマネジメントのコツを教えると、業務遂行力は高まる。例えば、リストを作成して重要度や緊急度に応じてタスクを整理する方法は教えておきたい。予期せぬ問題を考慮して、少し余裕のあるスケジュールにすることも時間管理のコツだ。
業務遂行力は、ミス未然防止策を育成側と共有することで強化される。周囲が無駄な労力を使わないためにも、以下の防止策を若手社員と意識合わせしておこう。
ミスをゼロにすることは難しい。しかし、若手社員が起こしやすいミスを事前にイメージしてもらえれば業務上の障害はかなり少なくなる。
担当業務をマニュアル化する作業は、手順やポイントを再認識するために有効だ。知識をアウトプットする作業なので、若手社員自身の業務遂行力も向上する。明文化されていないものを文章に落とし込み、後輩でも理解しやすく作成してもらいたい。社員同士における解釈の違いを無くすためにも、マニュアル化は有効な手段だ。
フォロワーシップとは、リーダーを含むチームメンバーに貢献する積極的な姿勢だ。若手社員はチームの原動力になってもらいたい。以下に紹介する人事・採用担当者の取り組みが、若手社員のフォロワーシップを強化する。
定期的なフィードバックを若手社員に実施すると、フォロワーシップは向上する。改善点を認識してもらえるため、自分がやるべきことがわかりやすい。自身のスキルレベルは把握しにくいものだ。上司や育成担当者が積極的にフィードバックを行い、前向きな自己改善を繰り返してもらおう。
担当業務終了後は、積極的にサポートを申し出るように指示したい。若手社員が、リーダーはもちろん他のメンバーと良好な協力関係を築ける。忙しいときの書類の整理やメールチェックなど、簡単な業務でも十分だ。タイミングを見計らい、自分にできることをメンバーに尋ねてもらおう。
メンバーの困りごとを集約することは、高いフォロワーシップの好例だ。リソースや人間関係に関しても、早めに問題提起することで解決を図りたい。ただし、リーダーの負担をかけないためにも相談する内容は吟味すべきだ。
若手社員には、後輩を指導するスキルが必要だ。彼ら自身の負担が軽減され、知識をさらに深めることができる。人事・採用・上司側は以下の方法でサポートしよう。
後輩に話しかける若手社員の努力を評価することは、指導スキルを磨くことにつながる。後輩も指導をポジティブにとらえてくれるだろう。まずは、後輩に自身の経験談を聞いてもらうことや最近のコンディションを訪ねることを高く評価しよう。後輩との信頼関係は、指導する側のアプローチにかかっている。
若手社員が後輩を指導する際は、わかりやすい業務マニュアル・やり方を共有してもらおう。先輩と共に統一された前提条件を知ることで、共通認識が生まれる。「なぜそうするのか」という理由が明確になると、行動力やモチベーションは高まり連携もスムーズだ。若手社員と後輩の成長は、実用的でわかりやすいノウハウによって促される。
提案力は、最適な問題解決策を導き出し相手を納得させる力だ。若手社員ならではのアイディアを業務に活かしてもらうためにも、人事・採用・上司側は次のような取り組みを増やしたい。
周囲の協力によって、若手社員の提案力は強化可能だ。結果としてあらゆる変化に耐え得る強い組織が形成される。
若手社員のスキル習得には、若手研修、若手社員研修を実施するという方法も効果的だ。特に外部研修はバリエーションが豊富なので、強化したい部分をピンポイントに学べる。下記はその一例だ。
十分なリソースを割いて若手育成するのが難しい会社は、段階的に研修を実施することも考えたい。
若手社員の役割は、①担当業務の業務遂行②チームへの貢献③若手ならではの視点で提案・企画をする、の3つに集約される。そして、若手社員がその役割に有用なスキルを着実に身に付けるには、人事・採用担当・上司の協力的な姿勢が不可欠だ。若手社員の成長意欲は著しい。彼らの要望に応えるためにも、育成側は最適な学習機会を提供したい。
リスキル事務局が記事の執筆・監修をしています。人材育成にまつわるお役立ち情報を分かりやすく解説します。
■社員研修のリスキルとは?
社員研修のリスキルは、一人でも多くの人に人材育成を届けるために、利便性の高い研修サービスを提供しています。検索をすれば、一社で実施する研修、日程が決まっている参加型公開講座、eラーニング動画講座などをすぐに見つけ、簡単に申込みや見積書を作成することができます。
■プロフィール
会社名:株式会社リスキル
(「リスキル」は株式会社リスキルの登録商標です。)
設立:2022年5月2日
上場市場:東京証券取引所グロース市場
■研修実績
・年間実績2400社以上
・受講人数は前年比60%以上
・プロフェッショナルの講師陣200名以上在籍