リスキルラボ クラッシャー上司の対策を紹介【部下が働きやすい職場にする】

パワハラ研修
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部下に好かれる上司もいれば、好き勝手な行動をとって部下に嫌われる方もいる。今回紹介するクラッシャー上司は、部下に嫌われる上司の代表例だ。クラッシャー上司の立ち振る舞いは部下を困らせ、職場環境にも影響を及ぼしてしまう。

そこで、本記事ではクラッシャー上司の特徴を紹介しつつ、クラッシャー上司の対策をすべき理由、対策方法などを解説していく。

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クラッシャー上司とは

クラッシャー上司とは部下を追い詰めて、精神的に滅入る状況をつくったり、退職に追い込んだりする上司のことだ。この言葉は、大学教授によって生まれた。クラッシャー上司の存在は社内の雰囲気を悪くする。そのため、会社としてはクラッシャー上司が現れない対策を講じることが大事だ。

パワハラ上司とクラッシャー上司の違い

パワハラ上司とは、精神的・肉体的に追い詰める上司を指す。罵倒したり暴力を振るったりして、部下に恐怖を与える。

一方、クラッシャー上司の場合は、パワハラ上司の要素に「自分が正しいと思っている」というのが加わる。自分の意見が正しいと思い込んでおり、周囲の声を一切聞かない。部下から反発されるものなら、論破して自分が正しいことを証明していく。以上のことより、両者の意味合いは異なる。

クラッシャー上司が生まれた理由

クラッシャー上司が生まれた理由は、新卒一括採用を行う企業が多いからだ。一昔前は、上司の言うことを聞く方が新入社員として採用されてきた。そのため部下に無茶な指示をするなど、上司の横暴な立ち振る舞いが起こっていた。

しかし時代が進むにつれて、働き方改革が行われていく。国や自治体が中心となり、従業員が働きやすい世の中に変えていこうとした。その結果、クラッシャー上司を減らすための対策がとられるようになった。

クラッシャー上司の特徴

クラッシャー上司には、いくつかの特徴が見られる。ここでは、代表的な特徴を紹介していく。

仕事の出来が良い

クラッシャー上司は仕事の出来が良い。たとえ不満があっても、成果を挙げているため周囲は文句を言えない。自分の思い通りに動けるため、傍若無人な行動をとっていく。

一方的で、高圧的なコミュニケーションを取る

一方的で、高圧的なコミュニケーションを取るのも特徴だ。部下に対して威張ったり、怒鳴り散らしたりする。部下に横柄な態度を取り続け、最終的には「裸の王様」と化してしまう。

自分を中心に物事を考える

自分を中心に物事を考える方が多いのも特徴だ。「自分さえ楽できればいい」ことを第一に動くため、他人のことは一切考えない。

部下が苦しくなっても、自分さえ楽できればOKだと思う。そのため、負担の大きい業務を振ったり、自分がやるべき業務を命じたりなど、理不尽な進め方をしていく。

自分の失敗を認めない

自分の失敗を認めないのも、クラッシャー上司に多い。たとえ自分の失敗でも、他人の責任にする。自身が失敗したのにも関わらず、部下のミスを尻ぬぐいしたかのような雰囲気を醸し出す。

部下に自分と同等のレベルを求める

部下に自分と同等のレベルを求める方が多いのも特徴だ。クラッシャー上司は、自身と同じレベルに達している方を求める。そのため、相手の目線に合わせて業務を進められない。そのため、部下と連携できない方が多い。

承認欲求が強い

周りからチヤホヤされたり、褒められたりなど承認欲求が強い。周囲が求めていないのに、自分を過剰にアピールする。##クラッシャー上司の対策方法を考えるべき理由

クラッシャー上司の放置は、会社に悪影響を及ぼす。ここからは、クラッシャー上司の対策方法を考えるべき理由を解説する。

売上ダウンを招く

クラッシャー上司がいると、部下は気を遣う。自分の思うように業務を進められず、業務の生産性が落ちる。その結果、仕事のミスが増えたり成果を挙げられなくなったりして、売上ダウンを招く。

従業員の成長、人材育成が難しくなる

従業員の成長や人材育成が難しくなる理由は、上司から怒られないための行動をとることに意識するからだ。その状態になると、教えてもらったことが頭の中に入らない。結果、覚えるまでに時間がかかってしまい、人材教育に支障をきたす。

成長するまでに時間がかかるため、スキルのない社員が多くなる。そのため、企業として成果を挙げるのも難しくなるだろう。

社内の士気が下がる

他の社員が見ている所でクラッシャー上司が怒鳴ると、他の社員たちはブルーな気持ちになる。働きづらい雰囲気となり、最終的に社内の士気が下がってしまう。

会社の評判が落ちる

クラッシャー上司が在籍していることがSNSで広がると、会社の評判が落ちる。SNSの登録者が多いと、多くの方に知れ渡る。その結果、優秀な人材が入らなくなったり、消費者離れが起こったりなど、会社にとって悪い状況が起きてしまう。それが原因で、会社が傾くこともあるため気をつけた方が良い。

退職者が増える

クラッシャー上司は部下に罵詈雑言を浴びせたり、理不尽なことを言ったりする。その結果、上司に不満を持つ部下が多くなって、退職者が増えていく。

そのような企業は、人材不足が起こったりスキルの高い社員がいなくなったりして、最終的には社内業務が回らなくなる。

クラッシャー上司の対策方法

クラッシャー上司には、適切な対策を講じることで問題解決できる。ここでは、クラッシャー上司の対策方法を紹介していく。

コンプライアンス研修の実施

コンプライアンス研修を行う理由は、クラッシャー上司になってはいけないことを認識させたり、上司に必要な知識を習得させたりするためだ。

一昔前と比べてコンプライアンスが厳しくなっていることや、今までの価値観では通用しないことなどを伝えるといい。ちなみに、コンプライアンス研修実施時に気を付けることは以下の通りだ。

受講者がイメージしやすいように研修を実施する

コンプライアンスの内容を理解するのは難しい。そのため、受講者がイメージしやすいように行うことが大切だ。

たとえば会社で起こった事例を用いて話せば、身近な話題である分、受講者はイメージしやすい。素人でも理解しやすくなり、自分事として話を聞いてくれる。

また、専門用語を簡単な言葉に置き換えて伝えるのも効果的だ。話の内容が簡単になり、コンプライアンスの知見がない従業員でも理解しやすい。受講者の立場を考えずに講師が一方的に伝えるだけでは理解しない。受講者の立場に立って、いかに分かりやすく伝えるかが重要となるだろう。

クラッシャー上司に関するトラブルが起こったら早めに実施する

たとえば、社内で問題が起こった直後にコンプライアンス研修を実施すると、従業員は会社の対応が早いと感じる。対応の早さを見せれば、従業員たちの間で「問題行動を起こしても、会社に見つかる」という認識が生まれる。すると問題を起こすクラッシャー上司は減る。

逆に対応が遅いと、会社としてクラッシャー上司を撲滅する姿勢ではないと認識される。クラッシャー上司の意識を変えるためにも、トラブルが起こったら早めに研修を行った方が良い。

会社の体制を見直す

クラッシャー上司が存在する理由として、一昔前から企業としての体制が変わっていないのも挙げられる。「被害があっても、社内でなかったことにする」「従業員全員が知らないふりをする」といった社内文化が昔から続いていると、クラッシャー上司は減らない。その状況を解消するには、社内体制の見直しが必要だ。

たとえば「被害を受けた従業員がいたら解決する」「従業員同士でサポートし合う体制をつくる」ことを行うと、クラッシャー上司は横柄な態度をとりづらくなり被害が減る。そのため、対策として効果的だ。

相談窓口を設置する

相談窓口を設置するメリットは、相談しやすい環境をつくることだ。被害者のなかには、同じ部署の従業員に相談できない方もいる。その状況を放置すると、クラッシャー上司による被害が表に出ず、被害者は一生悩みを抱えることになる。相談窓口を設置して相談しやすい環境を整えれば、発生しているトラブルが隠れずに済む。結果的に、問題解決が楽になる。

相談件数が増えれば、問題が公表される件数も増えるため、クラッシャー上司は自分の行動を見直す。クラッシャー上司の意識が変わり、被害の減少が期待できるため設置した方がいい。ちなみに相談窓口の担当者は、人事部の社員が担当するケースもあれば、外部の専門家が担当する場合もある。

クラッシャー上司による被害が発生したときの対応

対策を講じても、クラッシャー上司による被害が出る場合もある。最後に、被害が発生したときの対応を紹介していく。

被害を明確にする

被害を明確にすべき理由は、効率よく問題解決するためだ。被害の全容が明らかにならないと、どのようなプロセスで解決すべきか分からない。適当に問題解決までのプロセスを踏むと、解決まで時間がかかる。スムーズに解決するためにも、被害は明確にした方がいい。ちなみに被害を明確にするときは、以下のことを心掛けると良いだろう。

被害者と加害者の両者から話を聞く

一方にしか話を聞かない状況だと、話に偏りが生まれる。話を盛ったり、自分に都合良く話したりする場合も0ではない。したがって両者から話を聞いて、総合的に判断することが大事だ。

ちなみに話を聞くときは、中立的な立場で聞くことが大事だ。決めつけで話を聞くと、真実が分からなくなるため良くない。

具体的に質問する

たとえば「全容を教えてください」と言っても、ざっくりとしか答えられない。細かく知るには、具体的に質問していくことが大切だ。具体的な質問をすれば、相手も細かく答えるため被害内容を明確にしやすい。

ただし威圧的な態度をとったり、相手の立場を考えたりせずに質問すると、答えづらくなってしまう。そのため、質問する側は答えやすい環境をつくることが求められる。

会社の安全配慮義務違反を訴える

安全配慮義務とは、従業員が健康で安全な状態で働けるように会社や組織として取り組む義務のことだ。クラッシャー上司による被害の中には、安全配慮義務を違反しているケースがある。その場合は、安全配慮義務違反を訴えれば問題解決できるかもしれない。ちなみに社員の他に、派遣スタッフなど外部から働きに来ている方も対象となる。

訴えが起これば、会社は今までの体制を直そうと改める。そのため、解決できる可能性が高い。弁護士など、専門家を揃えたうえで訴えを起こす準備をするといいだろう。

まとめ

クラッシャー上司が社内に在籍していると、働きづらい職場になったり、仕事で成果を挙げるのが難しくなったり、売上ダウンを招いたりなど、従業員や会社に様々なデメリットを与える。したがって、会社としてはクラッシャー上司を減らす努力を行った方がいい。ちなみに、クラッシャー上司には以下の特徴が見られる。

  • 仕事の出来が良い
  • 一方的で、高圧的なコミュニケーションを取る
  • 自分を中心に物事を考える
  • 自分の失敗を認めない
  • 部下に自分と同等のレベルを求める
  • 承認欲求が強い

しかし適当に対処しても、クラッシャー上司の被害は減らない。減らすには適切な対策を講じることが大事だ。対策方法として、以下のものが挙げられる。

  • コンプライアンス研修の実施
  • 会社の体制を見直す
  • 相談窓口を設置する

上記の内容は、クラッシャー上司が自分の意識を振り返ったり、好き勝手な行動をとれない状態をつくったりするのに役立つ。そのため、効果が期待できる。

しかし会社によっては、対策したにも関わらず被害者が出てくる場合もある。そのときは被害を明確にして、安全配慮義務違反で訴えれば問題解決しやすい。ぜひ、クラッシャー上司による被害を減らすためにも、会社として力を入れていただきたいと思う。

この記事の監修者
リスキル事務局
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Q&A
  • クラッシャー上司とは、部下を極限状態まで追い込む上司のことです。精神的に滅入る状態にしたり、退職に追い込んだりするケースもあるため、部下にとって厄介な存在です。
  • クラッシャー上司には優秀な方が多く、自身と同じ立ち位置で話せる所まで求めようとします。高圧的な態度をとったり、自分の意見が正しいと勘違いしたりすることが多く、周りのことを考えないのが特徴です。
  • コンプライアンス研修を行って、必要なスキルを習得させたり、自分が行っていることが間違ったりしていることを分からせるといいでしょう。その他に会社の体制を見直して、トラブルが起こらない状況をつくったり、相談窓口を設置することで大きなトラブルが起こらない内に解決したりすることも大切です。
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