今回紹介する「ビジネスマインド」は、仕事での成果を挙げる上で重要だ。ビジネスマインドを養えば、社会人に必要なマインドが手に入るため、仕事で成果を挙げやすくなる。
ビジネスマインドを効率的、効果的に養うには、ポイントを抑えて動くことが大切だ。本記事では、ビジネスマインドの概要を紹介しつつ、養い方を解説していく。
ビジネスマインドとは、「仕事に対する向き合い方や考え方」のことだ。具体的には何を指しているのかという点については、実は企業によって異なるが、企業理念、組織人としての心構え、企業が利益を生むまでの流れ、社会人としての常識、ビジネスマナーなど、さまざまな意味を持つ。 共通しているのはその企業が求める「社員としての基本姿勢」だ。
ここからは、ビジネスマインドを習得するメリットを紹介していく。
ビジネスマインドを習得すると、社会人に必要とされる基礎姿勢が身につく。そのため、顧客や取引先・同僚とのコミュニケーションや、社内での立ち振る舞いで失敗することが減る。
とくに社会人経験のない新入社員は、社会人に必要とされるものが備わっていない。それを解消する意味でも、ビジネスマインドは習得すべきだ。
ビジネスマインドを習得すれば、仕事と真剣に向き合う姿勢が生まれる。自ら業務をこなそうとする気持ちが芽生えるため、働く意欲・モチベーションの向上が期待できる。
このような社員が増えれば、自然と社内の士気も高まっていく。活気が生まれて、従業員がイキイキと働ける職場になる。
ビジネスマインドがあれば、多角的な視点で物事を見る習慣ができていく。そのため、分析力の向上に役立つ。分析力が向上すれば、広い視野で物事を見る習慣がつく。結果、精度の高い分析ができるようになる。
ビジネスマインドが備わっていれば、その中のものを活かして、イレギュラー対応できる。結果、問題解決力の向上に役立つ。臨機応変に対処する姿勢が身についているため、トラブルに遭遇しても冷静に対処できる。
ビジネスマインドの中身は、要素によって変わる。ここでは、ビジネスマインドを形成する要素を紹介する。
会社の信念や理念は、ビジネスマインドを形成する上で大きな影響を与える。信念や理念によって、社員として必要とされるものが変わるからだ。
必要なものが違えば目指すべき方向性も変わるため、ビジネスマインドの内容も異なってくる。したがって、会社の信念や理念はビジネスマインドを形成する要素の1つだと言える。
社会人に必要なビジネスマナーも、ビジネスマインドの形成に影響する。たとえばビジネスマナーがなかった場合、自分に都合の良い状態で接するかもしれない。結果、ビジネスマインドが備わっていない社会人になってしまう。
しかしビジネスマナーがあれば、相手に失礼な態度をとらずに接するなど、社会人として適切な行動・態度がとれる。それを積み重ねることで、ビジネスマインドが身に付く。よってビジネスマナーも、ビジネスマインドを形成する大切な要素だと言える。
ストレスの向き合い方も、ビジネスマインドの形成に関わる。向き合い方が下手な方は、ストレスに支配される。感情的になるため、思うように仕事を進められない。その結果、精神的に参ってしまい、理想のビジネスマインドを手に入れられなくなる。
たいして、うまく向き合える方はストレスに支配されないため、自分の感情に振り回されない。ストレスと上手に付き合う姿勢がある分、社会人として適切な行動がとれる。そのため、ビジネスマインドを形成する要素として役立つ。
最後にビジネスマインドの養い方を紹介していく。
主体性とは自分の意志に基づいて、行動することだ。主体性のない方は、自分の意見を持っていない場合が多い。周囲の意見に頼るため、自分軸を持っていない。結果、ビジネスマインドを養うのが難しくなる。
しかし主体性のある方は、自分の意見を持っている。自分の中で理想像が描けており、積極的に行動を起こす。何を目指すべきか脳内でイメージできているため、効率的にビジネスマインドを養える。なお主体性を養うときは、以下のことを心掛けると良い。
目標を持つと、それに向かって行動を起こす姿勢が身に付く。積極性を生み出し、主体性を養うのにつながる。ちなみに目標を持つときは、努力をすれば実現できそうなものを設定した方がいい。ハードルが高いと怖気づいてしまい、消極的な行動をとるからだ。
消極的な行動をとる姿勢は、主体性を養う上で妨げになる。一度、消極的な行動をとるクセがつくと、解消するまでに時間がかかる。その状態をつくらないためにも、実現できそうな目標にすべきだ。
自分の考えを発言すべき理由は、行動力を上げるためだ。たとえば、人前で今後の目標を発表すると「言ったからには達成すべきだ」という気持ちになる。すると達成に向けて、何が必要か考えだす。その流れが積極性を生み出し、最終的には主体性を養ってくれる。
自己肯定感を高めさせる理由は、自身ができる人間だと信じ込ませるためだ。自分に自信がないと、行動を起こすのが怖いと感じる。その考えが根付くと、積極的なアクションを起こせない。
しかし自己肯定感を高めれば、自信がついている分、積極的にトライしていく。それが主体性を養うことにつながる。
成功体験を積み重ねると、自分の自信につながる。自発的に行動する習慣がつき、ビジネスマインドを養うときに役立つ。ちなみに成功体験を積み重ねるときは、以下のポイントを押さえると良い。
成功体験の数がこだわる理由は、自分に自信をつけるためだ。成功体験の数が少ないと、自信を持つまでに時間がかかる。短期間で自信を持たせるためにも、できるだけ多くの成功体験を積ませた方がいい。
相手目線に立つと、自分勝手な行動をしなくなる。商談や来客対応も様になっていき、社会人としてあるべき姿に変わっていく。結果、自然とビジネスマインドを養える。ちなみに相手目線に立つときは、自分に都合よく解釈しないことが大切だ。
自分に都合よく解釈すると、相手目線に立っているつもりでも自分目線になるからだ。無意識のうちに自分勝手な行動をとるようになり、コミュニケーションがとれなくなる。それを防ぐには、相手をそのまま受け入れることが大切だ。相手の良い部分も悪い部分も受け入れることで、どのような人間か見えてくる。
グループワークを実施すれば、他の方の考え方や価値観などが分かる。自身に必要な知識を取り入れられる機会となり、ビジネスマインドを養うのに役立つ。なお、グループワークの実施時は、以下のことを心掛けると良い。
心理的安全性とは、周囲に気を遣わずに発言できる環境かを示すときに使われる言葉だ。たとえば、参加者が上司の評価を気にしながら発言している場合、堂々と発言できない。そのため、心理的安全性の低い場だと言える。一方、上司の評価を気にせず、堂々と発言できる場合、心理的安全性の高い場だと言える。
さまざまな意見が出れば、吸収できる量が増える。効率的にビジネスマインドを養えるため、心理的安全性の高い場をつくるべきだ。
特定の参加者ばかり話していると、他の方が発言できなくなる。意見に偏りが生まれ、質の悪いグループワークになるかもしれない。
それを防ぐには、参加者全員に発言の機会を持たせることが大切だ。多種多様な意見を聞くことができるため、グループワークの質を高めるのに役立つ。
相手を否定して責めない理由は、場の空気を壊さないためだ。否定が多い場だと、他の参加者は発言できなくなる。グループワークの流れを止める原因になるため、やってはいけない。
ビジネスマインドを習得するためのセミナーや研修に参加するのも効果的だ。
ビジネスマナー研修や、セルフケア研修(ストレスとの上手い付き合い方、マネジメント方法など)、若手社員研修など、ビジネスマインドを養う上で役立つセミナーが多く存在する。必要に応じて、テーマを決めるといいだろう。
上司のサポートが大切な理由は、スムーズにビジネスマインドを養わせるためだ。大切な知識やスキルを共有したり、必要な行動をとらせたりなど上司としてサポートすべきことは多い。ちなみにサポートする際は、以下のことを心掛けるといい。
上から目線で物事を伝えると、上司に不快感を持って言うことを聞かなくなる恐れがある。そのため、対等な目線でサポートすることが大切だ。
自分の価値観を押し付けるのもNGだ。人によって、効果の出るやり方は違うからだ。上司に合っているやり方が、部下に合っているとは限らない。「共有」するイメージで、サポートするといいだろう。
部下に考えさせる理由は、指示待ち人間を増やさないためだ。考えさせる時間を与えないと、上司から何か言われるまで待つのが当たり前の状態になる。その結果、自分で考えることを放棄し、他人任せにする気持ちが生まれてしまう。
他人任せが当たり前になった社員は、積極的な行動を起こさなくなる。その結果、ビジネスマインドの習得が遅くなってしまう。そのためサポート時は、部下に考えさせる時間を与えた方がいい。
ビジネスマインドは、社会人にとって必要だ。会社の理念やビジネスマナー、ストレスとの向き合い方などがビジネスマインドの構築に影響を与える。ちなみにビジネスマインドを習得させると、以下のメリットが期待できる。
上記のメリットがあるため、習得できた社員は仕事をスムーズに進めてくれるだろう。以下のポイントを抑えておくと、ビジネスマインドを養うのが楽だ。
上記のことを心掛ければ、効率よくビジネスマインドを養える。ビジネスマインドを養えている社員は、ビジネス視点で物事を考える力が身についている。そのため、自然と仕事の質が高まっていく。成果を挙げる社員を増やすためにも、ビジネスマインドの習得に力を入れていただきたい。