リスキルラボ 交渉力を上げる方法を紹介【物事をスムーズに進めていく】

交渉力研修・ネゴシエーション研修
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取引先との商談では、交渉力が大事だ。交渉力があれば、自社にとって有利な状態で交渉を進められる。交渉力を上げるには、正しい方法やスキルを知っておくことが大事だ。

そこで今回は、交渉力を上げる方法やポイントについて紹介する。

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交渉力とは

交渉力とは話し合いによって、お互いが納得できる結果を出せるようにする力のことだ。交渉力の高い社員ほど、難易度の高い内容を丸く収める能力がある。

交渉力を上げるメリット

交渉力を上げると、様々なメリットがある。

相手と信頼関係を築きやすくなる

交渉力が上がるにつれて、相手の気持ちが分かってくる。交渉力の高い方は、相手の性格を把握するのが上手いため、信頼関係を築きやすくなる。

コミュニケーションが円滑になる

交渉力が高ければ、相手との距離感を縮めながら交渉を進めていける。それが、円滑なコミュニケーションを生み出す。円滑なコミュニケーションは話を前進させるため、契約を成立させやすくなる。

成果を得るために何を話せば良いか分かる

交渉力を上げれば、成果を得るために何を話すべきか把握できる。よって、無駄口をたたかずに効率的に交渉を進めていける。

・交渉のパターン紹介という形ではなく、基本的なダメな例の紹介をお願い致します。

交渉における悪い例

ここでは、交渉を行う際よく陥ってしまう悪い例を紹介する。

要求が多すぎる

要求が多すぎると取引先からの印象が悪くなる。その結果、交渉を成立させるのが難しくなってしまう。仮に交渉が成立したとしても、相手に借りができるため、別の交渉を有利な状況にするのは難しくなるだろう。

相手を脅迫するような話し方になってしまう

自身にそのつもりがなくても、脅迫するような表現や言葉選びは割けたい。強引に商談を成立させたとしても、業界内に悪い噂を流される危険性があるため悪い例と言える。

自社が損をしている

自社が損をする交渉もNGだ。交渉成立数を増やしても、自社の利益は挙がらない。長期にわたって繰り返すと、資金繰りができなくなり倒産してしまう。取引先に、何もかも譲ってしまう企業は要注意だ。

勝ち負けを決めようとしている

交渉は勝ち負けを決めるために行うのではない。お互いが納得する点を見つけるために行う。取引先よりも良い条件で成立させようと思った段階で、相手との関係性は崩れる。その結果、取引先を次々と失ってしまう。

交渉力を向上させる、3つの段階

交渉力は、3つの段階を経ることで向上できる。ここでは、3つの段階について紹介する。

第一段階:基本的な考え方を身につける

基本的な考え方を知っておかないと、交渉のときに至る所でミスを犯してしまう。交渉慣れしていないことが発覚すると、相手のペースにのみこまれる。第一段階では、どのような考え方を身につけるべきか紹介する。

交渉するときは協調を目指す

交渉のときは、お互いが「Win×Win」になれる「協調」を目指すと良い。お互い納得する答えが出れば、わだかまりがない状態で終えられるからだ。交渉後も良いお付き合いをするためにも、協調を目指した方がいい。

しかし協調しながら、交渉を進めるのが難しい場合もある。そのときは「妥協」を目指すと良い。お互いが譲る形にはなるものの、相手の反感を買わずに済む。関係性が悪化する恐れも低く、交渉後も付き合いやすいはずだ。

相手の最低条件を探る

相手の最低条件を知っておけば、それを基準にしながら交渉を進めていける。ゴールの設定が簡単になるため、クロージングまで運びやすくなるだろう。

0か100かで結果を決めようとしない

必ずしも交渉は、0か100かで決まるわけではない。50だったり70だったり様々だ。相手に合わせながら調整することが、交渉を成立させるコツだ。

第二段階:重要テクニックを身につける

交渉では、必ず理解しなければいけないテクニックがある。基本的な考え方を知っていても、必要なテクニックを知らなければ交渉は上手くいかない。ここでは、4つの重要テクニックを紹介する。

BATNA

BATNAとは「Best Alternative to Negotiated Agreement」の略で、代替案という意味だ。交渉では自身の意見が通らない場面も多い。とは言え、相手の言いなりになると自社が損をしてしまう恐れがある。そこで役立つのが「BATNA」だ。

BATNAを用意しておけば自社の意見を断られたとしても、別の視点からアプローチして交渉成立に持っていくことが可能だ。交渉を決裂させないためにも、覚えておくべきテクニックだ。

アンカリング効果

アンカリング効果とは、最初に与えられた情報が基準となり、物事が判断されていく現象のことだ。人間は最初に与えられた情報をもとに、話を進めていく傾向が強い。それを利用したテクニックだ。

たとえば最初の段階で、商品の定価が2万円と伝えたとしよう。すると相手の脳内には「2万円で売ってある商品」というイメージがつく。その後、「今だけ1万円で購入できる」と伝える。すると相手は「安い」と感じやすくなり、購買意欲が湧く。

このようにアンカリング効果を上手く使えば、交渉を成立しやすくなる。そのため、重要なテクニックだと言える。

ハロー効果

ハロー効果とは、事柄によって相手が勝手にイメージをつくっていくことを指す。たとえば、営業担当に「アメリカの大学院を卒業した」と言われたらどう思うだろうか。大抵の方は「仕事ができそう」というイメージを持つだろう。

しかしアメリカの大学院を卒業した方が全員、仕事ができるかと言えばそうではない。因果関係がないにも関わらず、都合よくイメージをつくり出すのが「ハロー効果」だ。良いイメージを与えれば、相手からの印象も良くなりやすい。よって、ハロー効果も重要なテクニックとして覚えておくべきだ。

返報性の原理

返報性の原理とは、いただいたものに対して「お返しをしなければならない」という感情が働く原理のことだ。たとえば、こちらが無償で仕事の相談に乗ったとする。すると相手には、「お返しをしなければならない」という気持ちが生まれやすくなる。これが返報性の原理による効果だ。この働きによって交渉が成立する場合もあるため、覚えておいた方が良い。

第三段階:その場限りのテクニックを覚えておく

その場限りのテクニックを覚えておくのも、交渉力を上げる方法だ。交渉中に使えるテクニックとして、以下の内容が該当する。

フットインザドア

フットインザドアとは、段階を経ながら依頼をしていくことだ。少しずつハードルを上げていくことで、大きな成果を得ようとする。実際に例を見てみよう。

例.商品を10個買ってもらうための交渉をする場合

第一段階:商品の話を聞いてもらう
第二段階:商品を試してもらう
第三段階:商品を5個買ってもらう
第四段階:商品を10個買ってもらう

いくつもの段階を経て、高いハードルを達成したいときに使える。ただし初めに設定したハードルが低すぎると、達成までのプロセスが長くなる。したがって、適切な内容にすることが大事だ。

バンドワゴン効果

バンドワゴン効果とは、世論の流れを判断材料の基準にさせることだ。取り扱っている商品やサービスが指示されていることを伝えて、安心感を与える。取引先は、交渉に対して良い印象を持つようになり、交渉が成立しやすくなる。

クロスカウンターテクニック

クロスカウンターテクニックとは相手から要求されたときに、自身の要求ものんでもらうことで、承諾させるテクニックだ。

たとえば相手に「安くして欲しい」と言われたとする。その場合「〇〇もしていただけたら安くします」といった形で返す。相手から要求しているため、断られにくい状況ができる。結果、交渉を進めやすくなる。

交渉力を上げるポイント

最後に交渉力を上げるときのポイントを解説する。

傾聴力を身につける

傾聴力とは、相手の話を聞く力のことだ。相手を知ることで、どのように交渉を進めていくべきかイメージできる。相手から色々な情報を聞き出して有利な状態をつくるためにも、傾聴力は身につけた方が良い。

目的からぶれないように話を進める

目的からぶれると話が脱線して、前へ進まなくなる。その結果、与えられた時間内で交渉を成立させるのが難しくなってしまう。話を脱線させるのが嫌いな担当者もいるため、気を付けた方が良い。

話のネタを用意しておく

相手によって、興味を持ってくれる話は違う。交渉を自分の良い状況へ持っていくには、相手の興味・関心を探りながら、話題を変えなければならない。相手が食いつくテーマを引き当てるためにも、話のネタは用意すべきだ。

臨機応変に戦術を変える

交渉を進めるものの、想定外の出来事が起こってしまう場合もある。そのときは、戦術を変えて別の進め方を模索するといい。別のテクニックを使ったり、アプローチの仕方を変えたりなど様々な視点から戦術を変えるといいだろう。

感情的にならない

感情的な対応をとると、場を乱したり説得力のある説明ができなくなったりする。自身の主観のみで話を進めても説得力は低く、相手に納得してもらうのは難しい。その状態をつくらないためにも、感情的にならず冷静に話を進めるべきだ。

事前準備をしておく

交渉を成功させるには、事前準備も重要だ。事前準備をせずに交渉すると、想定外のことが起こったときの対応がとれない。臨機応変に対応するためにも、事前準備を忘れてはならない。なお、事前準備では以下のことを確認すると良い。

自社と相手の立場を把握しておく

自社と相手の立場を把握しておくことが大事だ。「今回の交渉はどちらに有利か」「交渉が決裂した場合、自社にどのくらいの損失があるか」など、あらゆることを推測する。それをイメージしながら話を進めていくと交渉しやすい。

相手へ確認する項目を洗い出す

確認事項が抜けた状態で故障を進めると、交渉が決裂したり交渉成立後のトラブルにつながったりする。残念な結果にならないためにも、相手へ確認する項目は前もって洗い出した方が良い。

ゴール(着地点)を決めておく

ゴールのない状態で交渉を進めると、クロージングまでに時間がかかったり、交渉成立させるのが難しくなったりする。一方ゴールが分かれば、スタートからの道筋をイメージしやすくなり、スムーズな交渉ができる。

交渉力を高める研修やセミナーを受ける

交渉力研修・ネゴシエーション研修を受けることで、上記で扱ったスキルをまとめて身に付けることができる。

なお、研修を選ぶ際には、実際に交渉を行うロールプレイングやワークなどが入っている方が良い。社内で行う場合にも、本記事を作成したリスキルのような研修会社に依頼する場合も、それを意識して受講してほしい。

まとめ

交渉力が上がれば円滑なコミュニケーションがとれるようになるため、相手との信頼関係を築くのが楽だ。難しい内容の交渉を成功させられる可能性もある。そのため、交渉力の向上に関する取り組みは行った方が良い。

ちなみに以下の段階に沿って進めると、交渉力を上げやすくなる。

第一段階:基本的な考え方を身につける

  • 交渉するときは協調を目指す
  • 相手の最低条件を探る
  • 0か100かで結果を決めようとしない

第二段階:重要テクニックを身につける

  • BATNA
  • アンカリング効果
  • ハロー効果
  • 返報性の原理

第三段階:その場限りのテクニックを覚えておく

  • フットインザドア
  • バンドワゴン効果
  • クロスカウンターテクニック

三段階に分けて行動することで、交渉力を上げやすくなる。その他に、交渉力を上げるときのポイントもあるため紹介する。

  • 傾聴力を身につける
  • 目的からぶれないように話を進める
  • 話のネタを用意しておく
  • 臨機応変に戦術を変える
  • 事前準備をしておく

交渉力の高い社員がチームに集まれば、様々な交渉で成果が挙がっていき、チームの成績も良くなっていく。内容によっては、会社に良い結果をもたらして業績アップにつながるかもしれない。自社にとって良い交渉をするためにも、交渉力の向上に力を入れていただきたいと思う。

この記事の監修者
リスキル事務局
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Q&A
  • 交渉力とは相手と話し合うことで、合意を得る力のことです。交渉力を上げると、相手と信頼関係を築きやすくなったり、円滑なコミュニケーションをとれたりします。
  • はじめに交渉の基本的な考え方を身につけます。その後、交渉で重要なテクニックやその場限りのテクニックを理解することで、交渉力は上がります。
  • 交渉はお互いが話し合いながら進めていくため、日頃からトーク術を身につけておいた方が良いでしょう。その他に、臨機応変に戦術を変えたり、事前準備を行ったりすることも大切です。
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