内々定とは、企業が就職活動中の学生に対して、正式な「内定」を出す前に「あなたを採用したい」という意思を非公式に伝える行為です。
これは書面を伴わない口頭やメールで行われ、法的効力はありませんが、企業と学生の間で合意がある状態を示します。
内々定と内定は、通知の形式と法的効力に違いがあります。
正式な内定前に企業が学生に対して採用の意思を示す非公式な通知です。法的効力はなく、企業が撤回することも可能です。
書面による正式な通知であり、法的効力を持ちます。内定が出されると、企業と学生の間で雇用契約が成立し、基本的に内定を取り消すことはできません。
2024年現在、政府は正式な内定通知を卒業・修了年度の10月1日以降に出すよう企業に要請しているため、企業は内定解禁日まで正式な通知が出せず、「内々定」を出して学生と関係を築くことが一般的です。
参考:大学等卒業・修了予定者の就職・採用活動時期について|厚生労働省
内々定は、企業が学生を早期に確保するために利用されています。
採用競争が激化する中、他社に取られる前に優秀な学生を確保するため、企業は内々定を利用します。
内々定を出すことで、学生に安心感を与え、他の企業の選考を辞退させる狙いがあります。
内々定を受けた学生は、正式な内定ではないことを理解しつつ、他の企業の選考をどう進めるかを慎重に判断する必要があります。
最終面接後、企業が学生に対して口頭やメールで内々定を通知します。この段階では正式な書面は発行されず、非公式な合意のみが存在します。
内々定から正式な内定が出るまで、企業は学生との関係を維持するため、懇親会や説明会などでフォローアップを行います。この期間に学生との信頼関係を深め、内定辞退を防ぐ取り組みが行われます。
10月1日以降、企業は正式に内定通知を発行し、内々定が正式な内定に切り替わります。
この時点で法的効力が発生し、学生と企業の間で雇用契約が成立します。
一般的には、正式内定の10月から4月の入社までの6カ月の間に内定者研修が実施されることが多いです。
「無い内定(NNT)」とは、「内々定」という言葉をもじったダジャレ的な派生語です。就職活動中に企業から内々定や内定を一つももらえていない状態を指す言葉で、学生同士の会話やSNSで使用されます。下記サイトでは無い内定から脱出する方法を解説しています。
→ ない内定(NTT)の脱出法と行きたい企業の見つけ方