シナジー効果とは、複数の企業や組織などが協働することで、お互いに利益をもたらし、大きな付加価値を生み出すことをいいます。
シナジー効果が注目される理由には、市場のグローバル化、顧客ニーズの多様化により、企業同士の競争が激化しているためです。
企業が生き残っていくためには、売上増進や技術力・サービスの強化などを図り、競争力を高めなければなりません。
シナジー効果を生むには、以下の方法があります。
多角化戦略は、主力事業以外の分野に進出し、中長期的な視点で組織を成長させようとする方法です。
これまで使われていなかったリソースの活用が可能になるため、企業の活性化が期待できますが、事業の種類が増えれば、それだけコストがかかるという面もあります。
業務提携は、異業種の企業が事業を提携することです。業務提携は、お互いのノウハウを取り入れることができるため、短期間でシナジー効果が得られます。
しかし、業務提携終了後に人材やノウハウが流出してしまうというリスクなども考慮しておかなければなりません。
グループ一体経営とは、複数のグループ会社を1つの組織とみなし、利益の最大化を図るものです。一体化することで生まれる相乗効果のことをグループシナジーといいます。
企業価値を高められるというメリットがある一方、経営管理が複雑になるという面もあります。
M&Aは、企業の買収または合併のことです。M&Aによって事業規模の拡大を図ったり、自社の弱点を補完したりすることで、収益をあげることができます。また、新規事業に参入しやすくなることもメリットの一つです。
倒産状態にある企業の清算や事業再生を目的として行う場合に「再生型M&A」ということもあります。
※参考:再生型M&Aとは?M&Aによる事業再生を徹底解説!
ただし、企業同士の統合がうまくいかず、期待したようなシナジー効果が生まれないこともあります。
シナジー効果の反対語として使われるのが、アナジー効果です。
アナジー効果は、経営多角化戦略や業務提携、M&Aなどがマイナスに作用することをいいます。
主に想定外のコストが発生する、意思決定のスピードが遅いなどが挙げられます。
シナジー効果を創出するためには、事業計画を綿密に検討し、外部アドバイザーの意見を聞くといった対応が重要です。